英語の「語根」とは?

サッシ

執筆者

WEBライター。旅をしながらブログを書いて生活。塾で英語を約20年教えた経験あり。早稲田大学 教育学部卒業。→ サッシについてはこちら

今回はちょっとマニアックな「語根(ごこん)」という言葉について紹介します。

日本語の「語根」との違いや、語根を覚えるメリット、さらには代表的な具体例5つを紹介しますね!

語根がわかると英単語を覚えるのがグッと楽ちんになるんですよ!

英語の語根とは?

まず、語根とは何かを紹介しますね。

英語における語根(root)とは「単語を構成する最小単位の1つ」です!

サッシ

と言っても、さっぱりイメージできませんよね(笑)

実感しやすいように、身近な英単語で具体例を挙げますね。

英語の単語は「語根+接辞」でできている

例えば自動車や家電に使われる「motor(モーター)」という言葉を見てみましょう。

英語の単語は分解できる

じつは、英語の単語は分解できるんですね。

「motor」という単語の場合は「mot」と「or」に分解でき、それぞれに意味があるんです。以下のようになります。

mot(動く)or(人・もの)

motor

動くもの

モーター

サッシ

「動く+もの」で「動くもの(=モーター)」になるんですね!

語根は単語の基礎となる部分

そして、「mot」と「or」に分解したときの「mot」の部分に注目です。

この部分は、この言葉の根っこ部分、つまり「語根」なんです。

mot(語根)+ or(接尾辞)

この基礎的な意味である「mot(動く)」に「or(もの)」がくっついて、1つ新しい言葉「motor」になっています。

「reaction」という単語なら、「act(行為)」の部分がこちらの図のように語根になりますよ。

「reaction」の語根
「reaction」の語根

「接頭辞」と「接尾辞」

この「or」は「接尾辞(suffix)」と呼ばれ、語根の後ろに付きます。

サッシ

「motor」の「or」は、動物の「しっぽ」のように語根の後ろに付くから「接尾辞」と言われますが、もし語根の前に付けば「接頭辞(prefix)」と呼ばれますよ。

接頭辞・接尾辞の図
接頭辞・接尾辞の図

接頭辞と接尾辞をまとめて「接辞(affix)」と言います。

2種類の「接辞」

  • 接頭辞 prefix
  • 接尾辞 suffix

くわしくはこちらの記事をどうぞ。


日本語の語根との違い

お次は日本語の「語根」と比べて、もう少し語根を知ってみましょう。

日本語にも語根という言葉・考え方はあります。

同じく「単語を構成する要素」という意味ではあるんですが、英語における語根とはちょっととらえ方が違うんです。

日本語の単語を分解

例えば「飲む」という単語で考えてみますね。

「飲む(nomu)」という単語は、以下の要素から成り立っています。

「飲む(nomu)」を分解

nom(語根)+ u(活用語尾)

はい。このように「語根+活用語尾」という要素でできています。

では、ちょっと変化型の「飲ませる」という単語ではどうでしょうか?

「飲ませる(nomaseru)」の場合は以下のように3つに分解されるんですよ!

「飲ませる」を分解

nom(語根)+ ase(接尾辞)+ ru(活用語尾)

接尾辞が登場して「語根+接尾辞+活用語尾」という構成になりましたね!

「語根+活用語尾」か「語根+接尾辞+活用語尾」

このように、日本語の単語は「語根+活用語尾」か「語根+接尾辞+活用語尾」で成り立っているんです。

このときの「語根だけ」もしくは「語根+接尾辞」を指して日本語では「語幹」と言っています。

サッシ

はい。だいぶマニアックになってきましたね(笑)

これより詳しくしても逆に混乱するので、このへんでまとめましょう。

シンプルに箇条書きにまとめて比べると、英語と日本語の「語根」の違いは以下のようになりますよ。

英語の日本語の「語根」の違い(=単語の成り立ち)

  • 英語の単語 …… 語根+接辞
  • 日本語の単語 …… 語幹(語根+接尾辞)+活用語尾
サッシ

ちなみに小・中学校の国語で習った「文節」「単語」などの分け方とは一致しません!語根は形態論という考え方による分け方なんですよ。




語根を知るメリット

語根とは何かが詳しくわかったところで、「語根を知るメリット」です。

いちばん大事なのはここですよね(笑)

語根を知らなくても生きてはいけるのですが、英語を学ぶなら語根の知識があるほうがだんぜん有利です。

以下のようなメリットがあるんですよ。

語根を知るメリット

単語の意味を予想できるようになるので、丸暗記が減って楽ちん!

そうなんです……楽ちんなんです!!

例えば「export」という英単語に出合ったとしますね。

語根の知識が無ければ、「export」という英単語を辞書で調べて「あ〜、そういう意味なのね。よし、覚えるぞ!」という感じですよね?

でも、「ex」が「外に」という接頭辞で「port」が「運ぶ」という意味の語根だと知っていればどうでしょうか。

ex(外に)port(運ぶ)

export

外に運ぶ

輸出

オオカミ

外に運ぶ……あ、「輸出」ね!

はい。オオカミさんありがとう(笑)。

このように、意味を推測して当てることができるんです!

英単語の数は無限にあるので、1つ1つを丸暗記していたらキリがありません

しかし語根の知識があれば、初めて出合った単語でも根本的な意味を想像することができるので丸暗記が要らなくなるんです。

これは……めちゃくちゃ楽ですよ、ほんとうに。

サッシ

効率的にサクサクと英単語の意味がわかるようになるので、語根はぜったい知っているほうがお得ですよ!

代表的な英語の5つの語根を紹介

では、語根のすばらしさ(?)がわかったところで、具体的な語根を紹介しておきますね。

有名な語根を集めてみました。

いろいろ語根はあるので、まずは以下の代表的なものから覚えてみてください!

代表的な5つの語根
語根 意味 英単語の例
act 行為 actor
(俳優)
bio biology
(生物学)
dict 話す predict
(予測する)
mani manicure
(マニキュア)
port 運ぶ portable
(持ち運べる)
サッシ

mani(手)+ cure(手入れ)のように「語根+語根」という英単語もありますよ!

まとめ

さて、今回は「語根」という専門的な用語を説明しました。

語根とは?

  • 語根とは英単語の最小単位の1つ
  • 英単語は「語根+接辞」でできている
  • 語根を知っていると英単語を覚えるのがラクになる!

というわけで、語根を使って、英語の語源を知り、効率よく英単語を覚えましょうね!

こちらは語源を覚えるのにオススメの本ですよ!

海外留学で英語で学ぼう!

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だったら、「語源で覚えるのカテゴリ」を要チェックだね♪

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中村サッシ
サッシ
塾講師として英語・国語の指導を約20年してきた経験のある「英語の文法オタク」。早稲田大学 教育学部卒。小学生の時から英語を学んでいた経験もあり。「毎日が生まれたて」という月間に100万回以上読まれる人気ブログも運営。>>サッシについて詳しくはこちら
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