英語の「過去分詞」とは?

こんにちは、英語の文法マニアのサッシ です。

「中古車」を英語で言うときに「使われた車」という表現で「used car」のように言います。

used car(使われた車=中古車)

この「used」ですが、文法では「過去分詞」と呼ばれるものです。

今回は「過去分詞」について、過去形や現在分詞との違いから「4つの使い方」まで、を詳しく紹介します。

英語の過去分詞とは何か

まず「英語の過去分詞とは何か?」という基本的なところから見てみましょう。

過去分詞の形や意味を確認していきますね。

「過去分詞」は動詞の変化形の1つ

「過去分詞って何?」と言われたら、以下のように思ってもらえればOKです。

過去分詞とは?
動詞が変化した形

元々は動詞なんだけど、形が変化して「動詞以外の役割になったもの」というイメージですね。

動詞の過去分詞=変化して「動詞以外の役割」になったもの

例えば「break(壊れる)」という動詞を過去分詞にすると「broken(壊れた)」となります。

原形 過去分詞形
break(壊れる) broken(壊れた)

その過去分詞「broken」を使って「broken window(壊れた窓)」のような表現ができるようになるんです!

過去分詞を使った例

broken window壊れた窓)

サッシ

次の項目で紹介しますが、この「broken」は、もはや動詞ではなく形容詞になっています。


意味は「形容詞的用法」

お次は過去分詞の意味を見てみましょう。

動詞を過去分詞形にすると、「〜される / 〜された」という「形容詞」の意味になります。

「過去分詞」は「形容詞」と同じ役目に

例えば「big(大きい)」という形容詞を使って「car(車)」という名詞を修飾すると、「big car(大きな車)」となりますよね。

そこで「use(使う)」という動詞を過去分詞形にして「used(使われた)」という意味にして同じように使うとどうなるでしょうか?

そう。「used car(使われた車 = 中古車)」となって、「big car」とまったく同じ形になるんです!

形容詞と過去分詞の比較
big car
(形容詞+名詞)
大きな車
used car
(過去分詞+名詞)
使われた車
(=中古車)

過去分詞は基本的にこのような「形容詞的用法」のイメージでいると分かりやすいですよ。

「過去分詞」は動詞的な使い方も

上で紹介したように、過去分詞の「形容詞的用法」に加えて、さらに以下のような「動詞的な使い方(verbal)」も可能です。

  • be動詞 + 過去分詞形
    受動態
  • have + 過去分詞形
    完了形

具体的な過去分詞の使い方は後で詳しく紹介しますね!


「規則変化」と「不規則変化」について

今度は、動詞が過去分詞になって変化したときの形について紹介します。

動詞が過去分詞になるときの変化には以下の2種類があります。

過去分詞の変化の種類

  1. 規則変化
  2. 不規則変化
サッシ

なんか聞き慣れない言葉が出てきましたが、大丈夫ですよ!

「規則変化」は規則的な変化をする動詞のことで、「不規則動詞」は規則のない変化をする動詞のことです。

過去分詞の規則変化

まずは、「規則変化」をする動詞についてです。

規則変化をする動詞のパターンは覚え方がものすごく簡単ですので。

なぜなら動詞の「過去形」と同じだからです。

サッシ

つまり動詞の語尾に「〜ed」を付けるだけで過去分詞形になります。

「play」の活用
原形 過去形 過去分詞形
play played played

こういうシンプルなのはありがたいですよね〜。

過去分詞の不規則変化

しかし、残念ながら動詞すべてが「規則変化」をするわけでは無いんですよね。

日常的によく使う動詞にも、不規則変化をするものがたくさんあります。

では、どんな変化をするのかというと……文字通り「不規則」です。

例えば「go(行く)」や「sing(歌う)」という動詞の場合は以下のようになります。

動詞の不規則変化の例
原形 過去形 過去分詞形
go(行く) went gone
sing(歌う) sang sung
サッシ

なんだか微妙に法則性がありそうな・無いような感じですよね(笑)。

不規則変化する動詞の一覧表は後で改めて紹介しています。


「pp」って?

過去分詞の話が出てくるときに「pp」という表示を見ることがあります。

これ、実はただの「過去分詞」の英語の略称なんです。

過去分詞は英語で「past participle」と言います。それを略して「pp」というわけですね。

サッシ

動詞の略称の「V」も付けて「Vpp」と書くこともありますよ。


過去形や現在分詞との違いは?

過去分詞の基本が分かったところで、続いては「過去形」や「現在分詞」との違いをまとめてみましょう。

同じ点・異なる点を比べてみてくださいね。

「過去形」と「過去分詞形」の違い

まずは、動詞の「過去形」と「過去分詞形」の比較です。

【規則動詞】「過去形」「過去分詞形」は形が同じ

両者には「規則動詞」だと形が一緒という共通点があります。

例えば、先ほども紹介しましたが、「play(〜する)」という動詞の場合、過去形も「played」で過去分詞形も「played」なんですよ。

「play」の活用
原形 過去形 過去分詞形
play played played

この場合は見た目の形はまったく同じなので、文脈・前後関係で過去形なのか過去分詞形なのかは判断します。

【不規則動詞】「過去形」「過去分詞」の違い

不規則変化の動詞の場合は、過去形と過去分詞形は同じものもあれば違うものもあり、さまざまです。

こちらに例を出してみます。

動詞の不規則変化の例
原形 過去形 過去分詞形
find found found
do did done

上の例のように「find」のように過去形と過去分詞形が「同じ」不規則動詞もあれば、「do」のように過去形と過去分詞形が「異なる」不規則動詞もあるのです。

「過去形」ではできないこと

何より「過去形」が「過去分詞形」と大きく異なるのは以下の点です。

過去形・過去分詞形の違い

  • 「過去形」は形容詞として使うことはできない
  • 「過去形」は受動態や完了形を作ることはできない

後で紹介する「分詞構文」も「過去分詞」か「現在分詞」を使うことで可能な表現なんですよ。


「現在分詞」と「過去分詞」の違い

では「現在分詞」と「過去分詞」を比べるとどうでしょうか。

「現在分詞」と「過去分詞」の共通点

両者とも以下の点は共通しています。

現在分詞・過去分詞の共通点

  • 「形容詞」として使える
  • 「分詞構文」が作れる

「現在分詞」と「過去分詞」は意味が異なる

しかし、どちらも形容詞として使えるものの「意味」や「訳」が異なります

現在分詞は「〜する・〜している」という能動的な意味で、過去分詞は「〜される・〜された」という受動的な意味になるんです。

現在分詞・過去分詞の意味の違い

  • 現在分詞(Ving)
    〜する・〜している(能動的な意味)
  • 過去分詞(Vpp)
    〜される・〜された(受動的な意味)

「動詞的表現」が異なる

さらに、他の言葉と組み合わせて使う「動詞的表現」が違います。

簡単に言うと、「現在分詞」を使う動詞的表現は「現在進行形」になります。

以下に違いをまとめますね。

現在分詞・過去分詞の「動詞的表現」の違い

  • 現在分詞(Ving)を使った動詞的表現
    be動詞 + 動詞の現在分詞現在進行形
  • 過去分詞(Vpp)を使った動詞的表現
    be動詞 + 動詞の過去分詞受動態

    have + 動詞の過去分詞完了形

受動態や完了形の使い方はこの後で詳しく紹介していきますね!

なお、「現在分詞」についてはこちらをご覧ください。



過去分詞の4つの使い方・例文

では、過去分詞の具体的な使い方を例文で見てみましょう。

以下の4つの用法を順番に紹介していきますね。

過去分詞の4つの用法

  1. 受動態(受け身)
  2. 名詞修飾
  3. 完了形
  4. 分詞構文

過去分詞の「受動態(受け身)」

まずは過去分詞を使った「受動態」という表現です。

受動態とは、「〜する」ではなく「〜される・〜された」という受け身の形のことを言います。

be動詞」と「過去分詞形」を組み合わせることで、「〜される・〜された」という受け身の表現を作れるんですよ。

「broken」を使った例

ウサギ

My smartphone is broken.
(スマホが壊れてる)

サッシ

同じbe動詞の表現でも、「be動詞」と「現在分詞形」を組み合わせると「現在進行形」ですよ!

受動態(受身形)については下記をどうぞ!

過去分詞の「名詞修飾」

2つ目は過去分詞の「名詞修飾名詞を修飾する用法)」です。

例えば「break(壊れる)」という動詞が過去分詞形「broken」になると「壊れた〜(壊された〜)」という意味になり、名詞を修飾する「形容詞の役割」になります。

ウサギ

Why are there broken plates on the table?
(なんで壊れたお皿がテーブルにあるのかな?)

オオカミ

Well, I don’t know…
(さ、さぁ、知らないな……)

名詞を修飾するときは「語順」に注意

過去分詞形を名詞の「前」に置くか「後」に置くかは、実はちょっとしたルールがあります。

名詞を修飾する語順のルール

  • 1語で修飾
    名詞の「
  • 2語以上で修飾
    名詞の「

どういうことか、例文で分かりやすく説明しますね。

修飾される名詞が1語の場合

「broken(壊れている)」という過去分詞で「smartphone(スマホ)」という名詞を修飾するとします。

まず「壊れたスマホ」なら以下のようになるんです。

ウサギ

Why is there a broken smartphone on the table ?
(なんで壊れたスマホがテーブルにあるのかな?)

日本語の「壊れたスマホ」と同じ語順でわかりやすいですね。

さらに、こちらの記事にくわしく書いていますよ!

修飾される名詞が2語以上の場合

でも、「こちらがお母さんに叱られたかわいそうなウサギです」だと以下のような語順になります。

オオカミ

This is the poor rabbit scolded by her mother.
(こちらがお母さんに叱られたかわいそうなウサギです)

「scolded by her mother」は2語以上のかたまり(=フレーズ)なので、「後」から修飾しています。

サッシ

フレーズが長いと言いづらいから後回し!」というイメージでいてください。


過去分詞の「完了形」

3つ目は「完了形」です。

過去の時間から続いてきた動作が「完了」したときに使う表現を「完了形」と言います。

サッシ

と言われても、ちょっとイメージしづらいですよね……。

まずは以下の例文をご覧ください。

「been」を使った例

ウサギ

I have been to Tokyo.
(東京に行ったことあるんだ〜)

オオカミ

Wow ! I’m so jealous !
(わお!いいな〜!)

過去形で「I was in Tokyo.」だとシンプルに「東京にいた」という事実を指すだけですが、完了形にすることで「過去にそうした経験を(現在)持っているよ」というニュアンスを出すことができます。

完了形で使う「have」は、主語が「三単現」のときは「has」になり、話題の中心が過去のときは「had」になりますよ。

過去分詞の「分詞構文」

最後は「分詞構文」です。

主に文の先頭に過去分詞を置くことによって、「文全体」を修飾することができる表現を「分詞構文」と言います。

「compared」を使った例

ウサギ

Compared with my brother, I think I’m not an anime geek.
(うちの兄ちゃんと比べると、あたしはそれほどアニメオタクじゃないと思うな〜)

オオカミ

Hmm… kind of.
(そ、そうだね……)

この文の場合、「Compared with my brother(うちの兄と比べると〜)」は、その後の文全体を修飾していますよね?

このように分詞を使ったフレーズで他の文をまるごと修飾できる表現を「分詞構文」と言います。

サッシ

分詞構文は「現在分詞」を使っても作れますよ!


覚えておきたい「過去分詞形」まとめ

最後に、基本的な「覚えておきたい過去分詞形」を紹介します。

「なんだっけ?」と迷う過去分詞形

まずは、よく「あれれ? 過去分詞はどんな形だっけ?」と悩んでしまうものをリストアップします。

「ride」の過去分詞 →「riden」

「ride(乗る)」の過去分詞形は「riden」です。「ride」に「 n 」をプラスすると覚えましょう。

「ride」の活用
原形 三人称単数 現在分詞形 過去形 過去分詞形
ride rides riding rode riden

ただ、過去形が「rode」なのでじゃっかんややこしいですね。

「meet」の過去分詞 →「met」

「meet(会う)」の過去分詞形は過去形と同じく「met」になります。

「meet」の活用
原形 三人称単数 現在分詞形 過去形 過去分詞形
meet meets meeting met met

こちらは「meet」の「 e 」を1つ取るというイレギュラーな変化です。

「wear」の過去分詞 →「worn」

「wear(身につけている・すり減る)」の過去分詞は「worn」です。

「wear」の活用
原形 三人称単数 現在分詞形 過去形 過去分詞形
wear wears wearing wore worn

語形変化は「I was born in 〜(〜で生まれた)」でおなじみ「bear(生む)」の過去分詞「born」と同じルールです。

「want」の過去分詞 →「wanted」

「want」の過去分詞は「wanted」です。

「want」の活用
原形 三人称単数 現在分詞形 過去形 過去分詞形
want wants wanting wanted wanted

この単語、「あれ? 特別な形だっけ?」と思ってしまいますが、規則変化なんです♪

ちなみに、「お尋ね者」という意味での「ウォンテッド」ですが、この過去分詞「wanted(求められている)」ですね!

「have」の過去分詞 →「had」

「have(持っている)」の過去分詞形は「had」です。

「have」の活用
原形 三人称単数 現在分詞形 過去形 過去分詞形
have has having had had

現在完了形だと「I have had」みたいに「have」の後ろに「had」が来て、なんか妙に見えますが、正しいです(笑)。

「do」の過去分詞→「done」

「do」の過去分詞形は「done」になります。

「do」の活用
原形 三人称単数 現在分詞形 過去形 過去分詞形
do does doing did done

「tell」の過去分詞 →「told」

「tell(話す)」の過去分詞は「told」です。

「tell」の活用
原形 三人称単数 現在分詞形 過去形 過去分詞形
tell tells telling told told

「laugh」の過去分詞 →「laughed」

「laugh(笑う)」の過去分詞形は「laughed」で、そのまんま「ed」が付くだけ。

「laugh」の活用
原形 三人称単数 現在分詞形 過去形 過去分詞形
laugh laughs laughing laughed laughed

「teach(教える)」の過去・過去分詞形が「taught」で、スペルが似ているのでややこしいですよね(笑)。


中学英語の基本的な「不規則変化の過去分詞形」一覧表

最後に中学校で習うレベルの不規則変化の過去分詞形を一覧表にしてまとめておきますね。

どれも日常会話でもよく使う単語ですよ。

中学英語の基本的な「不規則変化の過去分詞形」一覧表
意味 原形 過去形 過去分詞形 現在分詞形
~である
いる
be
(is / am / are )
were been being
~になる become became become becoming
始める begin began begun beginning
壊す/壊れる break broke broken breaking
持ってくる bring brought brought bringing
~を建てる build built built building
~を買う buy bought bought buying
~をつかまえる catch caught caught catching
来る come came come coming
~を切る cut cut cut cutting
~をする do did done doing
~を飲む drink drank drunk drinking
運転する drive drove driven driving
~を食べる eat ate eaten eating
落ちる fall fell fallen falling
感じる feel felt felt feeling
~を見つける・わかる find found found finding
~を忘れる forget forgot forgotten(forgot) forgetting
~を得る get got gotten(got) getting
~を与える give gave given giving
行く go went gone going
成長する grow grew grown growing
持つ have(has) had had having
聞く hear heard heard hearing
キープする keep kept kept keeping
~を知っている know knew known knowing
去る・出発する leave left left leaving
~を失う lose lost lost losing
作る/AをBにする make made made making
意味する mean meant meant meaning
~に会う meet met met meeting
置く put put put putting
~を読む read
(リード)
read
(レッド)
read
(レッド)
reading
乗る ride rode ridden riding
のぼる rise rose risen rising
走る run ran run running
言う say said said saying
見る see saw seen seeing
売る sell sold sold selling
送る send sent sent sending

まとめ

最後に過去分詞についてまとめます!

過去分詞まとめ

  • 過去分詞とは、動詞が変化して「形容詞(〜される・〜された)」の働きをする形
  • 規則変化と不規則変化がある
  • 用法は「名詞修飾」「受動態」「完了形」「分詞構文」の4つ

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サッシ
サッシ
塾講師として英語・国語の指導を18年以上してきた経験のある「英語の文法オタク」。早稲田大学 教育学部卒。小学生の時から英語を学んでいた経験もあり。「毎日が生まれたて」という月間に100万回以上読まれる人気ブログも運営。>>サッシについて詳しくはこちら
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