[書評]『英語でオノマトペ表現』で英語のレベルを上げよう!

[書評]『英語でオノマトペ表現』
サト

執筆者

TOEIC980点。ELSA認定アンバサダー。インドネシアで日本語学校を運営している日本語教師。話せる言語は英語のほかにインドネシア語、中国語。→ サトについてはこちら

日本語で言いたいことを英語で表現するのって、難しいですよね。

直訳できないことばもたくさんありますし。

特に、「どきどき」や「あっさり」などの「オノマトペ」は、英語にするのにひと工夫が必要です。

そこでオススメするのが『英語でオノマトペ表現』という本です。

この記事では『英語でオノマトペ表現』がどんな本かを書評として紹介します。

オノマトペとは?

まず、本書のタイトルにある「オノマトペ」についてかんたんに解説しておきます。

「オノマトペ」は、物の音や様子を表すことばです。

大きく「擬音語」と「擬態語」があります。

学校で習った記憶があるなあ、と思ったかもしれませんね。

特徴や例を表にまとめると、次のとおりになります。

 特徴
擬音語モノの音を表す「どきどき」「ざあざあ」など
擬態語モノの様子を表す「あっさり」「がっしり」など
オノマトペの特徴・例

日本語はこの「オノマトペ」、特に「擬態語」がものすごく豊富なんですよ。

本書には、次のとおり書いてあります。

英語のオノマトペの多くは、実際の音を言葉で表現する擬音語です。(中略)しかし、 日本語のオノマトペはもっと幅広く使える 点が大きな特徴です。(中略)音のないものに使える擬態語が非常に豊富にあるからです。

ルーク・タニクリフ著『英語でオノマトペ表現』(2021年 アルク)

なので、日本語のオノマトペ(特に擬態語)のニュアンスを英語で伝えるためにはひと工夫が必要になります。

直訳ができないので!

そこで、本書の出番というわけですね。

では、本書の著者はどんな方なのでしょうか。

著者のルーク・タニクリフ氏について

ここでは、本書の著者であるルーク・タニクリフ氏(以下、「ルーク氏」)についてご紹介しましょう。

ルーク氏は、次のような経歴をお持ちです。

ルーク氏の経歴

  • イギリス生まれ
  • 2005年に来日し、中学校で2年間英語を教える
  • 2008年に再来日し、英会話講師などとして活躍
  • 現在、東京に在住
  • 著書多数

まとめると、英語のネイティブスピーカーとして日本の英語教育に関わってきたわけですね。

そんなルーク氏は、日本語も自在に操ります。次の動画をご覧ください。

本書は、日本語が堪能な英語のネイティブスピーカーが書いたので、信頼度バツグンです!

本書『英語でオノマトペ表現』の良い点

では、本書にはどんな良い点があるのでしょうか。

3点、ご紹介しますね。

順番に見ていきましょう。

機能別にオノマトペを整理しているので、わかりやすい

まず、本書では機能別にオノマトペを整理しているので、わかりやすいんです。

どう整理しているかと言うと、大きくは次のとおりです。

本書のオノマトペの整理方法

  1. 動作を表すオノマトペ
  2. 心の動きを表現するオノマトペ
  3. 感覚を表現するオノマトペ
  4. 様子・状態を表すオノマトペ
  5. いろいろなオノマトペ

このように大きく5つに分けた上で、さらに細かく整理しています。

たとえば、「動作を表すオノマトペ」は、次の8つに分かれているんですよ。

1見る「じろじろ」「ぼんやり」など
2歩く「きびきび」「よろよろ」など
3食べるちびちび」「がつがつ」など
4飲むちびちび」「ごくごく」など
5話す・書く・読む「ぺらぺら」「はっきり」など
6考える・分かる「じっくり」「くよくよ」など
7くつろぐ・過ごす「のんびり」「まったり」など
8眠る「ぐっすり」「うとうと」など
動作を表すオノマトペ

上の「例」はほんの一例で、「動作を表すオノマトペ」だけで50を超えるオノマトペを取り扱っています。

かなりの数ですよね。

本書が「わかりやすい」とは?

ところで、先ほど、本書の良い点として「機能別にオノマトペを整理しているので、わかりやすい」と書きました。

この「わかりやすい」というのは、どういうことなんでしょう。

たとえば、先ほどの表の中に、「ちびちび」が2回出てきたのにお気づきでしょうか。

実は、「食べる」「飲む」それぞれに「ちびちび」が登場していたんです。

なぜかというと、「ちびちび食べる」と「ちびちび飲む」は英語では区別されるからです。

他にも、「さくさく」というオノマトペが取り上げられています。

本書では、「さくさく仕事が進む」と食感の「さくさく」はそれぞれ別に取り扱っているんです。

このように、単に日本語が同じだからという理由で一緒にせず、機能でしっかり分けて解説してくれているんですね。

なので、「わかりやすい」というわけです。

英語の発想がわかって、レベルアップできる

本書の良い点の2つ目は、英語の発想がわかって、レベルアップできる点。

というのも、オノマトペをいろいろな方法で日本語にしているからなんです。

どんな方法で英訳しているんでしょうか。

本書には、次のように書いてあります。

英語では、比喩表現やイディオム、副詞、動詞などで言い換えられることが多い(後略)

ルーク・タニクリフ著『英語でオノマトペ表現』(2021年 アルク)

「比喩表現」「イディオム」「副詞」「動詞」と、主に4種類の方法があるんですね。

本書にある例を見てみましょう。

日本語のオノマトペ本書の英訳
比喩表現のろのろ(歩く)walk at a snail’s pace
イディオムぺらぺら(外国語などを話す)have a good command of〜
副詞すらすら(書く)easily
動詞ぺちゃくちゃしゃべるchatter
本書の例

日本語のオノマトペを英語にするには、これだけの工夫が必要なんですね。

ちなみに、「比喩表現」の「walk at a snail’s pace」は、「カタツムリのペースで歩く」という意味です。

また、「のろのろ」「ぺらぺら」「すらすら」の動詞には「(歩く)」のようにカッコをつけていますが、「ぺちゃくちゃしゃべる」にはカッコがありません。

これは「chatter」だけで「ぺちゃくちゃしゃべる」という意味になるからなんです。

バラエティ豊かでおもしろいですよね!

しかもこれはすべて、英語のネイティブスピーカーが「自然」だと思える表現。

こういう英語を使えるようになれば、英語力がワンランクアップすることは間違いありません。

小話もおもしろく、記憶に残る

本書の良い点、3つ目は小話がおもしろく、記憶に残る点です。

授業で先生がしてくれた「横道にそれた話」が記憶に残るような感覚です。

たとえば、こんな話があります。

がばがば飲むときに、gulpをよく使います。ちなみに、アメリカのコンビニでは、XLサイズのソーダはBig Gulpとよく呼ばれています。

ルーク・タニクリフ著『英語でオノマトペ表現』(2021年 アルク)

わたしはこれで「gulp」を覚えましたし、なかなか忘れられないんじゃないかと思っています。

また、本書では「コラム」として、次の内容が取り上げられています。

本書のコラム

  • 英語の「音」が伝えるイメージ
  • ネイティブが日常会話でよく使うオノマトペ
  • 日本語のオノマトペを英語の頭韻法で表す方法
  • 英語のコミックのオノマトペ
  • 英語の車のオノマトペ
  • 英語の広告とスローガンのオノマトペ
  • 英語の擬音語のルール
  • 英語のオノマトペとシリコンバレー
  • 英語のオノマトペの文法
  • 赤ちゃん英語とオノマトペ

おもしろくて、役に立ちそうなタイトルが並んでますよね。

いちばん印象に残っているのは、「英語の擬音語のルール」にあった次の内容です。

whiff-whaffもping-pongも、(中略)(畳語の母音交替のルール)に従っています。畳語とは、(中略)「繰り返し言葉」のことです。英語の畳語では、母音の順番として、(中略)「i→a」または「i→o」の順番になる、というルールがあるのです。

ルーク・タニクリフ著『英語でオノマトペ表現』(2021年 アルク)

「whiff-whaff」も「ping-pong」も「卓球」を意味するそうですが、母音のルールがあったなんてまったく知りませんでした。

正直なところ、コラムだけでも、本書を読む価値はあります

ぜひ手に取ってみてくださいね。

本書を無料で読む方法を、後ほどご説明しますので♪

本書『英語でオノマトペ表現』の注意点

ここまで本書の素晴らしい点をご紹介してきましたが、注意点も1つだけ挙げておきます。

それは、本書では英語の発音がわからないことです。

発音記号が載っておらず、音声ファイルもないので……。

まあ、今はインターネットでいくらでも音声が聞ける時代です。

ここは自分でカバーしましょう!

次の方法で本書を使えば、音声を調べるのもそんなに手間にならないはずです。

『英語でオノマトペ表現』のオススメの使い方

ここでは、本書のオススメの使い方をご紹介します。

正直、英訳をひとつひとつをぜんぶ覚えるのはなかなか骨が折れます。

というのも、本書にはぜんぶで600もの英語表現があるからです!

ひとつひとつ覚えるよりも、自分が使いそうなオノマトペだけを覚えていくといいでしょう。

たとえば、オンライン英会話で毎回天気の話をするなら、天気についてのオノマトペを重点的に覚えるとか。

もしくは、話し相手がいなくても、ふだんの生活で「あっさり」と言ったときに英語でどう言うか調べるとか。

本書には「索引(さくいん)」もあるので、日本語から英語を探すのもラクラクです!

そうやって少しずつ使える表現を増やしていきましょう。

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こんな素晴らしい本ですが、今なら無料で読む方法があります。

それは、Kindle Unlimitedの無料体験です。

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まとめ

この記事では、『英語でオノマトペ表現』という本をご紹介しました。

本書の良い点は、次のとおりでしたね。

本書の良い点

  1. 機能別にオノマトペを整理しているので、わかりやすい
  2. 英語の発想がわかって、レベルアップできる/li>
  3. 小話もおもしろく、記憶に残る

注意点は「発音がわからない」ことでしたが、ネットで調べればカバーできます。

まずはKindle Unlimitedの無料体験で、気軽に読んでみてくださいね!

英語の勉強にオススメの書籍はほかにもいろいろあります。

次の記事にわかりやすくまとめたので、ぜひご参考に!!

海外留学で英語で学ぼう!

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サト
インドネシアで日本語学校を運営している日本語教師。独学でTOEIC980点をマークした秘密が受験英語が好きだったという特異体質。オンライン英会話や電子書籍を試すことにハマっている。>>サトについて詳しくはこちら
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