英語の「名詞句」とは?

名詞句とは?
サッシ

執筆者

WEBライター。旅をしながらブログを書いて生活。塾で英語を約20年教えた経験あり。早稲田大学 教育学部卒業。→ サッシについてはこちら

「机の上にあるペン」と言うとき、英語では「the pen on the desk」という表現を使います。

単語が5つ組み合わさった名詞になり、正確には名詞句と呼ばれる部分です。

名詞節や形容詞句・副詞句との違いも含めて、今回は英語の「名詞句」をわかりやすく紹介しますね。

英語の名詞句について

はじめに、名詞句の意味や形を見ていきましょう。

名詞節や形容詞句・副詞句との違いもハッキリさせていきますね!

名詞句の意味・形

まず、名詞句の意味・形についてです。

英語の名詞句とは「名詞の働きをする句」のことを言います。

名詞句は2語以上のかたまり

たとえば、以下の英文の「carrots on the table(テーブルの上のニンジン)」が名詞句ですよ。

I found carrots on the table.
(テーブルの上のニンジンを見つけたよ)

英文法で「句」とは「1つの品詞の役割をする2語以上のかたまり(S・Vは含まない)」です。

先ほどの例文の場合、次のような1つの大きなかたまりになっていますよね?

名詞句の例

carrots(ニンジン)on the table(テーブルの上)
carrots on the table(テーブルの上のニンジン)

このように「名詞の働きをするかたまり」のことを名詞句と呼びます。

名詞句とは?
名詞の働きをする2語以上のかたまり

名詞句を置ける位置

名詞句は名詞として機能するので、英文の構造の中では以下の2つの位置に置くことができます。

名詞句を置ける位置

  • S(主語)
  • O(目的語)

先ほどの例文「I found carrots on the table」は「目的語( O )」の位置に置かれていますよ。

SVOの例文

I(O) found(V) found carrots on the table(O)

次のように「主語( S )」の位置に名詞句を置くこともできます。

Finding carrots is easy.
(ニンジンを見つけるのはかんたんさ)

この例では「finding carrots」が名詞句になりますよ。

名詞句と名詞節の違い

先述したように、名詞句とは「1つの名詞として機能する2語以上のかたまり」のことです。

名詞句と似たような表現で「名詞節」というものもありますが、以下のような大きな違いがありますよ。

名詞句と名詞節の違い

  • 名詞句 …… S・Vを含まない
  • 名詞節 …… S・Vを含む

名詞句のかたまりの中にはS・V、つまり「誰がどうする〜」という部分がありません。

それに対して名詞節は「誰がどうする〜」という部分を含みます。

たとえば、名詞節は次の「what you want(キミがほしいもの)」の部分になります。

名詞節の例

I know what you want.
(ボクはキミが何がほしいのかわかるよ)

このように主語述語のセットになっている名詞の部分を「名詞節」と呼びます。

名詞節については別記事でまとめているので、詳しくはそちらをご覧ください。

名詞句と形容詞句・副詞句との違い

他の句との違いも見ておきましょう。

英語の句には名詞句の他に形容詞句と副詞句が存在します。

それぞれ以下のような特徴になっていますよ。

形容詞句・副詞句の特徴

  • 形容詞句 …… 形容詞の働きをする
  • 形容詞句 …… 副詞の働きをする

名前の通りすぎてなんだか申し訳ありませんが、まさにその名前通りの意味です。

名詞句・形容詞句・副詞句のどれも句なので「2語以上のかたまり(S・Vを含まない)」という点は同じです。

そのうえで、名詞・形容詞・副詞のどの品詞の役割をするのかが違うというわけですね。

形容詞句の例

たとえば形容詞句は以下のような具合です。

Look at the dog running in the yard !
(庭を走っている犬を見てみなよ!)

文末の「running in the yard(庭を走っている)」が形容詞句です。

dog(犬)という名詞を修飾しているので形容詞として機能していますよ。

副詞句の例

副詞句なら以下のような感じですね。

I'm happy with you.
(アンタと一緒にいられてうれしいよ)

文末にある「with you(あなたと一緒)」が副詞句です。

「happy(うれしい・幸せ)」という形容詞、もしくは文全体を修飾しているので副詞の役割だとわかりますよ。

名詞句は名詞の働きなので他の言葉を修飾しませんが、形容詞句・副詞句はこのように他の言葉を修飾するという点に違いがあると考えてもいいですね!

ちなみに「名詞句」は英語で「noun phrase」と言いますよ。

英語の「名詞句」の作り方

名詞句の基本がわかったところで、実際に作ってみましょう。

英語の名詞句の作り方は大きく分けて4種類あります。

それぞれ紹介していきますね!

動名詞による「名詞句」

まずは「動名詞」です(参考: 動名詞について)。

動詞を「〜ing」の形にするだけで名詞にできるんですよ。

たとえば、以下の「Playing video games」が動名詞を使った名詞句です。

Playing video games is fun.
(ゲームをすることは楽しい)

play(〜する)という動詞をplayingの形にすることで「〜すること」という名詞の形にできます。

そこに「〜を」の部分を付ければOKですね。

以降に出てくる他の表現もすべてそうですが、名詞句は名詞の役割なので「 S(主語)」か「 O(目的語)」の位置に置けますよ。

不定詞による「名詞句」

お次は「不定詞」です。

動詞に「to」をくっ付けたのが不定詞という表現です。

たとえば、先ほど紹介した動名詞「Playing video games」を不定詞に変えて以下のように言い換えられますよ。

To play video games is fun.
(ゲームをすることは楽しい)

「To play video games」の部分が不定詞であり、「ゲームをすること」という名詞句を作っています。

不定詞の形を作るときは、動詞は必ず原形にしてくださいね。

ときどき「to」の後に原形ではなく動名詞を使ってしまうことがあるので気をつけて!

「to」の後は原形

  • to playing video games
  • to play video games

ちなみに不定詞には名詞的用法・形容詞的用法・副詞的用法の3種類がありますよ。

形容詞句(分詞・前置詞など)による「名詞句」

続いては「形容詞句」を使った「名詞句」の例を見てみましょう。

形容詞句で名詞を修飾することによって名詞句を作り上げるという形です。

分詞による形容詞句を使った例

たとえば、以下の「The boy playing video games(ゲームをしている少年)」の部分が名詞句ですよ。

The boy playing video games is my friend.
(ゲームをしているその少年はあたしの友達だよ)

この場合の「playing」は動名詞ではなく分詞です。

文を分解すると次のようになります。

形容詞句が名詞を修飾することで作られる「名詞句」
形容詞句が名詞を修飾することで作られる「名詞句」

形容詞句「playing video games(ゲームをする)」が名詞「boy(少年)」を修飾しています。

その結果として「The boy playing video games(ゲームをしているその少年)」という1つの名詞句を作っていますよ。

形容詞句「前置詞+名詞」を使った例

形容詞句は分詞の他に「前置詞 + 名詞前置詞句)」の形で作ることもできます。

I found carrots on the table.
(テーブルの上のニンジンを見つけたよ)

名詞「carrots」を「on the table(前置詞 + 名詞)」が修飾しています。

「前置詞 + 名詞」による名詞句
「前置詞 + 名詞」による名詞句

「lots of〜(たくさんの〜)」のような熟語的な表現もありますよ。

形容詞・冠詞による名詞句

あとは「形容詞」と「冠詞」を使った名詞句です。

形容詞 + 名詞」や「冠詞 + 名詞」というシンプルな2語の形も名詞句に含まれます。

たとえばニンジン(carrot)という名詞でアレンジすると以下のようになります。

形容詞 + 名詞
many carrots(たくさんのニンジン)
冠詞 + 名詞
the carrot(そのニンジン)

どちらも「2語以上の名詞のかたまり」になっていますよね?

これらも立派な名詞句としてカウントされます。

だいぶマニアックですが、形容詞・冠詞と名詞だけで作る名詞句は「simple noun phrase」と呼ばれることがあります。

それに対して、形容詞2つ以上や形容詞句・不定詞で修飾する長〜い名詞句を「expanded noun phrase」と呼んだりもしますよ。

「expanded noun phrase」は、親が幼い子どもの言語表現を広げていくときの発想としてしばしば使われますよ!

まとめ

今回紹介した「名詞句」をまとめると次のようになります。

「名詞句」のまとめ

  • 名詞句は「名詞の役割をする句
  • 「主語( S )」か「目的語( O )」の位置で使われる
  • 動名詞・不定詞・分詞・前置詞などで作ろう
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中村サッシ
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塾講師として英語・国語の指導を約20年してきた経験のある「英語の文法オタク」。早稲田大学 教育学部卒。小学生の時から英語を学んでいた経験もあり。「毎日が生まれたて」という月間に100万回以上読まれる人気ブログも運営。>>サッシについて詳しくはこちら
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