発音を学ぶために知ろう! 口の中の名称(調音器官)について

口の中の場所の名前
ヨス

執筆者

アメリカ留学で言語に興味を持ち、日本語教師の資格をとる。メディアなど掲載多数。著書は2冊。一般的には学ばない「日本語の音声」を学ぶことで英語の発音を習得し、独自の英語の発音習得メソッドを持つ。→ ヨスについてはこちら

今回は言語の発音をよくするために知っておきたい口の中の構造を紹介します。

音声学では「調音器官」と呼ばれるのですが、ぜひ各部の名前を覚えておきましょう。

発音をするときに覚えておきたい口の中の名称

口の中は言語の音声を発音をするときに使われます。

そのため、音声学では口の内部を、「音を調整する」という目的にしぼり「調音器官」と呼びます。

まずは口の中の調音器官全体を見てください。

口の中の名称
口の中の名称

口腔

まずは、口の中の空間の名称から紹介します。

口腔
口腔

上の図のように、口の中の空間を「口腔(こうこう)(Oral Cavity)」と呼びます。

ちなみに、病院では「こう」と呼ばれ、音声学では呼び方を区別しています。

ヨス

ほとんどの発音は口腔で作られますよ!

鼻腔

そして、「鼻腔(びくう)(Nasal Cavity)」です。

鼻腔
鼻腔

こちらも、医学用語としては「」と呼ばれます。

ヨス

鼻腔は主に、鼻音と呼ばれる音声を作るときに使います。

上側にある調音器官

まずは上側にある調音器官について紹介しましょう。

まずは唇です。

上の唇を上唇(じょうしん)(Upper Lip)、下の唇を下唇(かしん)(Lower Lip)と呼びます。

上唇・舌唇
上唇・舌唇

音声学では「上唇」「下唇」をあわせて「両唇(りょうしん)(Lips)」と呼ぶことが多いです。

そして、「()(Teeth)」です。

歯

これは説明するまでもないですね。

歯茎

歯の根本あたりを「歯茎(しけい)(Alveolar Ridge)」と呼びます。

歯茎
歯茎

通常では「はぐき」と読みますが、音声学では「しけい」と呼ぶので注意が必要です。

硬口蓋

歯茎の後ろからの上あご全体を「口蓋(こうがい)(Palate)」と呼びます。

ヨス

口の中の「(ふた)」のようだからですね。

その「口蓋」の中でも真ん中のほうは硬くなっている部分があり、そのあたりを「硬口蓋(こうこうがい)(Hard Palate)」と呼びます。

硬口蓋
硬口蓋

硬口蓋の前部は「後部歯茎」

この「硬口蓋」の前部あたり、言い換えると「歯茎」の少し後ろあたりを「後部歯茎(こうぶしけい)」と呼んで区別しています。

後部歯茎
後部歯茎

軟口蓋

先ほど「口蓋」を紹介しましたが、その後ろの柔らかい部分を「軟口蓋(なんこうがい)(Soft Palate)」と呼びます。

軟口蓋
軟口蓋

下の根本あたりで触るとわかるとおもいますが、柔らかいです。

口蓋垂

そして、「のどちんこ」を正式には「口蓋垂(こうがいすい)(Uvula)」と呼びます。

口蓋垂
口蓋垂

垂れているから「垂」なんですねー。

下側にある調音器官

続いて、下側にある調音器官を紹介していきます。

ほとんどが「舌」を部分に分けた名称になりますよ。

舌端

舌の前方あたりを「舌端(ぜったん)(Blade)」と呼びます。

舌端
舌端

ちなみに、英語では「Blade」と言いますが、「刃物」という意味です。

舌尖

「舌端」の中でも、舌の先っぽを「舌尖(ぜっせん)(Tip)」と呼びます。

前尖
前尖

「広い範囲」ではなく、先っぽだけを指し、「点」のイメージです。

先ほど紹介した「舌端」と「舌尖」の両方をあわせて「舌先(したさき)」と呼ぶこともあります。

前舌

硬口蓋と対面している部分を「前舌(ぜんぜつ)(Front)」と呼びます。

前舌
前舌

「前」という名前ですが、位置的には舌の中央あたりで、「硬口蓋」に対面している部分になります。

後舌

「前舌」に対して、舌の後ろのほうを「後舌(こうぜつ)(Back)」と呼びます。

後舌
後舌

上あごの「軟口蓋」に対面している部分ですね。

舌根

舌の根本あたりを「舌根(ぜっこん)(Root)」と呼びます。

舌根
舌根

声門(声帯)

そして、喉の奥には「声門(せいもん)(Glottis)」と呼ばれる部分があります。

声門(声帯)
声門(声帯)

声帯(せいたい)(Vorcal Cords)」と呼ばれる2本の筋肉があり、帯のようになっています。

ここを震わせることで濁音になり、ここを震わせずに発音すると静音になりますよ。

「静音」「濁音」についてはこちらの記事をどうぞ!

まとめ

さて、今回はちょっとマニアックですが、口の中の部位名称についての紹介でした。

ふつうの生活をしていると、ぜんぜん役に立たない知識ですが、英語の発音を勉強しているときには覚えておくと勉強しやすくなります。

本記事は、『日本語音声学入門』という本を参考にしています。

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ヨス
アメリカ留学で言語に興味を持ち日本語教師に。その後、自分が「音声学」に猛烈に惹かれることに気づく。一般的には学ばない「日本語の音声」を学ぶことで英語の発音を習得し、独自の英語の発音習得メソッドを持つ。>>ヨスについて詳しくはこちら
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