[書評]『ジェイソン式英語トレーニング 覚えない英英単語400』

サト

執筆者

TOEIC980点。ELSA認定アンバサダー。インドネシアで日本語学校を運営している日本語教師。話せる言語は英語のほかにインドネシア語、中国語。→ サトについてはこちら

英語をレベルアップするために、「英英辞典を使うといい」という話はよく聞きます。

でも、ちょっとハードルが高いと思ってしまいますよね?

英語を英語だけで説明しているので、「難しい」と感じてしまう場合もあるかもしれません。

そんな人でもとっつきやすいのが厚切りジェイソン氏の著書『ジェイソン式英語トレーニング 覚えない英英単語400』です。

英単語の説明をシンプルな英語で教えてくれ、英英辞典を使う前のステップとしてもオススメですよ。

著者の厚切りジェイソン氏について

まず、本書『厚切りジェイソン』の著書をご紹介しましょう。

多くの人が知っていると思われる厚切りジェイソン氏です。

お笑い芸人やIT起業の役員として有名な方ですね。

その他に、独学で日本語能力試験1級に合格した、語学の達人という顔もお持ちです。

日本語能力試験の1級というのは、一番難しいレベル。

サト

わたしは日本語教師を10年以上しているのですが、学生で1級に合格したのはほんのひと握りです……。

1級合格の目安のひとつに、単語10,000語というのがあります。

TOEICで言うと、900点以上取るのに必要な単語が10,000語。

1級がかなりのレベルであることがおわかりいただけると思います。

そんな試験に独学で合格した厚切りジェイソン氏が、ご自身の経験を踏まえ、本書では「覚えない英語学習」を提唱されています。

「覚えない英語学習」とは?

厚切りジェイソン氏の提唱する「覚えない英語学習」とはいったいどういうものなのでしょうか?

この点について、本書には次の通り書いてあります(太字はサトによる)。

大切なのは、”英語は英語で考える習慣”をつけること。何でも丸暗記するなんて効率が悪いし、そもそもそんなの面白くないじゃん。(中略)要は24時間その国の言葉で考えていたら、語学は必ずできるようになるということ。

ジェイソン式英語トレーニング 覚えない英英単語400』より引用しました

言い換えると、覚えるよりも「英語で考える習慣をつけよう」ということですね。

では、本書はどのような特徴があるのでしょうか。

次項では、本書の良い点をご紹介します。

『ジェイソン式英語トレーニング 覚えない英英単語400』の良い点

本書『ジェイソン式英語トレーニング 覚えない英英単語400』の良い点は、次の5点です。

本書の良い点

  1. 英英辞典よりも説明がシンプルなので、気軽に使える
  2. どの単語にも例文が4文ほどある
  3. 例文には日本語訳もついている
  4. 「例文で使われている単語」の意味も「英語で」説明してくれている
  5. 例文自体がおもしろいので、楽しく学べる

1点ずつ、見ていきましょう。

英英辞典よりも説明がシンプルなので気軽に使える

まずは、英英辞典より説明がシンプルで、気軽に使える点。

どれぐらいシンプルなのでしょうか。

本書と、英英辞典の説明を比べてみましょう。

英英辞典と本書の比較
単語 英英辞典での説明 本書での説明
aspect a particular part or feature of a situation, an idea, a problem, etc.; a way in which it may be considered one part of a problem
reply to say or write something as an answer to somebody/something to answer
yell ​to shout loudly, for example because you are angry, excited, frightened or in pain to call in a loud voice

英英辞典の説明は、「Oxford Learner’s Dictionaries」の公式サイトより引用しています。

説明の長さがぜんぜん違います!

全部調べたわけではないのですが、わたしが調べた限りでは、本書のほうが英英辞典よりもシンプルな説明になっていました。

サト

「英英辞典の長い説明を見て腰が引けた……」という場合でも、本書なら大丈夫ですね。

どの単語にも例文が4文ほどある

次に、どの単語にも例文が4文ほどあって、使える状況が分かりやすい点。

先ほど例で見た単語「yell」を例にご説明しますね。

本書では、「yell」の説明が「to call in a loud voice」となっていました。

ここから「『大声で叫ぶ』ぐらいかな」と推測できます。

少なくとも、日本語の「応援」という意味ではないということですね。

そして、こんな例文がついています(太字はサトによる)。

A: Do you know what all that noise was about last night?

B: My next door neighbors had a fight. The husband was yelling at his wife from outside.

A: He must have been thrown out for doing something cruel!

ジェイソン式英語トレーニング 覚えない英英単語400』より引用しました

例文は各単語に4文ほどあり、状況がはっきりしています

サト

「fight」とあるので、先ほどの「yell」=「大声で叫ぶ」という推測がしっくり来ることもわかりますね。

辞書だと例文は1文しかないことが多く、どんな文脈なのかはっきりしない場合も多いですよね。

その点、本書ではクリアしています!

例文には日本語訳もついている

本書の例文には日本語訳もあります

単語の説明は英語だけなのですが、例文の意味は日本語で確認できるんです。

先ほどの例文だと、次のとおり。

A: 昨日の騒ぎは何だったのかしら。

B: 隣の人たちがケンカしたんだよ。旦那さんが外から奥さんの名前を叫んでたよ。

A: 何かひどいことをしたから放り出されたのね!

ジェイソン式英語トレーニング 覚えない英英単語400』より引用しました

サト

英語オンリーの英英辞典とは違い、例文の意味は日本語で書いてあるんです! これは安心ですね。

「例文で使われている単語」の意味も「英語で」説明してくれている

本書では「例文が豊富で、例文の意味を日本語で紹介してくれている」というふうに紹介しました。

でも、こんなふうに思われるかもしれません。

ひより

例文全体の意味だけじゃなくて、例文で使われている単語の意味も知りたいんだけど……。

本書では、「例文の日本語訳」の下に、例文で登場する単語についても説明してくれています(全部の単語ではありません)。

たとえば先ほどの「yell」の例だと、例文内にある「throw」と「cruel」という2語についてこんな説明があります。

throw: to send from the hand with force

cruel: unkind, causing pain

ジェイソン式英語トレーニング 覚えない英英単語400』より引用しました

ここでのポイントは、例文内の単語の説明も、
「あくまで英語で貫き通している」ということ。

例文の説明は日本語ですが、単語の説明は英語だけにこだわっているのです。

サト

厚切りジェイソン氏は「大切なのは、”英語は英語で考える習慣”をつけること」とおっしゃっているわけですが、それをちゃんとサポートしてくれてるんやなあ、と思います。

例文自体がおもしろい

最後に、例文自体がおもしろいのも、本書の特徴です。

先ほど「yell」のところでご紹介した夫婦ゲンカの例文も、ふつうの辞書には載らないような内容ではないでしょうか。

もうひとつ例を挙げましょう。「aspect」の例文は、次のとおりです。

A: There are two aspects of getting old, one is positive and the other negative. The former is to gain more knowledge and to learn how to deal with things. THe latter is to forget what you have accumulated.

B: Then it comes out even after all.

ジェイソン式英語トレーニング 覚えない英英単語400』より引用しました

日本語訳は、次のようになっています。

A: 年をとるってことにはふたつの側面があって、いい点と悪い点があるんだ。知識が増え、物事の対処法がわかってくるのがいい点。悪い点は、自分が蓄積してきたことを忘れてしまうこと。

B: ということは結局、プラスマイナスゼロになるね。

ジェイソン式英語トレーニング 覚えない英英単語400』より引用しました

このように「クスッ」と笑える例文が盛り沢山です! まあ、全部が全部ではないんですが。

サト

わたしは例文だけどんどん読み進めてしまったぐらい、この本の例文にハマってしまいました。


本書のイマイチな点

良い点を5点も挙げたのですが、イマイチな点も次の通り2点あります。

本書のイマイチな点

  1. 意味がたくさんある単語でも、説明はひとつだけ
  2. 意味が似ている単語の違いがわかりにくい

2点とも、「説明がシンプルである」という良い点の裏返しなのですが……。

1点ずつ、見ていきましょう。

意味がたくさんある単語でも説明はひとつだけ

まず、意味がたくさんある単語でも説明はひとつだけという点です。

例えば、「lie」という単語。「うそをつく」という意味もあるのですが、本書に出てくるのは「横になる」という意味だけです。

説明をシンプルにしているし、例文に出てくる意味を扱っているのでここは仕方がありません。

サト

この点は、本書に慣れた時点で本格的な英英辞典を使うなど、他の方法でカバーしましょう。

なお、「横になる」意味の「lie」については、「英語の「lie と lay」「rise と raise」の覚え方もご参考に!

意味が似ている単語の違いが分かりにくい

また、単語の説明だけを見ると、意味が似ている単語の違いが分かりにくい場合もあります。

例えば、次のとおりです。

reply:to answer

respond:answer

ジェイソン式英語トレーニング 覚えない英英単語400』より引用しました

「to」があるかないかの違いはありますが、両方とも「answer」ですね。

先ほど書いた通り、説明をシンプルにしているので、ここも仕方がありません。

サト

違いまで分かるようにしようとすると、説明が複雑になりますからね。

例文を読んでも違いが分からない場合は、他の本を見てみるのもひとつの手です。

本書はそもそも、意味が似ている単語を説明する本ではないので!

個人的には、『ネイティブ感覚 基本動詞使い分けブック』という本がオススメです。


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まとめ

この記事では、『ジェイソン式英語トレーニング 覚えない英英単語400』という本をご紹介しました。

英英辞典への橋渡しに、また英語で考える練習に役立つこと間違いなし。

ぜひ一度、手に取ってみてくださいね!

英語の勉強にオススメの書籍はほかにもいろいろあります。

次の記事にわかりやすくまとめたので、ぜひご参考に!!

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サト
インドネシアで日本語学校を運営している日本語教師。独学でTOEIC980点をマークした秘密が受験英語が好きだったという特異体質。オンライン英会話や電子書籍を試すことにハマっている。>>サトについて詳しくはこちら
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