日本語の「ざ行」には2つの子音が混在している

「ざ行」とは違う「za行」の発音とは?

「ざ行」の子音だけを発音したものがこちらです。

この発音は「歯茎」と呼ばれる場所で作られます。

そして、この [ z ] に「あ・い・う・え・お」の発音をくっつけ、「za行」を発音すると次のようになります。

「za行」では、「い段」が「ずぃ」になっていることにも注目です。

「za行」の発音記号表

日本語の「ざ行」と、 [ z ] に「あ・い・う・え・お」をくっつけた「za行」の発音記号はこちらになります。

「い段」が違いますよね。

[ z ] を発音するときの口の構え

口の中の構えがどうなっているのかを図で見てみましょう。

[ z ] の発音は、上前歯の根本にある「歯茎」と呼ばれる部分で作られます。

[ z ] は専門的には「有声歯茎摩擦音(ゆうせいしけいまさつおん)」と呼ばれます。

じゃ [ ʑa ] 行の発音とは?

[ ʑ ] は、 [ z ] と違い、歯茎から硬口蓋(こうこうがい)まで広い部分に舌をくっつけて発音します。

では [ ʑ ] の発音をしてみましょう。

そして、この [ ʑ ] に「あ・い・う・え・お」の発音をくっつけ、「じゃ [ ʑa ] 行」を発音すると次のようになります。

どうでしょうか?「じ」は「じゃ行」にあるほうがしっくりきませんか?

「じゃ [ ʑa ] 行」の発音記号表

日本語の「ざ行」と、[ ʑ ] に「あ・い・う・え・お」をくっつけた「じゃ [ ʑa ] 行」の発音記号はこちらになります。

「じ」は本来、「じゃ行」に属する仮名だったんですね!

[ ʑ ] を発音するときの口の構え

[ ʑ ] は、口の中の歯茎から硬口蓋（上あごの硬い部分）までの広範囲に舌をくっつけ、小さなスキマを作ることで発音されます。

上の図で音が作られている場所（ピンクの部分）をご確認ください。

先ほど [ z ] の発音は歯茎だけでしたが、かなり広い範囲で発音が作られていますよね。

つまり、 [ z ] とはまったく違う子音ということです!

専門的に言うと、「じ」は「歯茎」と「硬口蓋」を合わせた範囲で作られるため、「有声歯茎硬口蓋摩擦音(ゆうせいしけいこうこうがいまさつおん)」と呼びます。