英語の「無生物主語」とは?

無生物主語とは

こんにちは、英語の文法マニアのサッシ です。

英語で「5分も歩けば駅に着くよ」と言いたいとき、どんな主語が思い浮かびますか?

日本語の場合、主には省略されますが「あなた」という「人間」を主語にします。

でも、英語だと「5分」という「無生物(生物ではないもの)」を主語にしたほうがだんぜん言いやすいのです。

意味・訳し方・代表的な動詞など、今回は英語の「無生物主語」について詳しく紹介しますね。

「無生物主語」について

はじめに、無生物主語の意味や訳し方を見ていきましょう。

特に複雑な形ではないし、かんたんな英単語だけで理解できますよ!

英語の無生物主語とは?

まず、無生物主語の意味、そして無生物主語を使う利点から見てみましょう。

その名前の通り、英語の無生物主語とは「人以外のもの・こと」が主語として使われた場合のことです。

無生物主語を使った例文

例えば以下のような英文ですよ。

無生物主語を使った文の例

ウサギ

Five minutes’ walk will bring you to the station.
(5分も歩けば駅に着くよ)

この文の主語は「Five minutes’ walk(5分間の徒歩)」です。

このように人間ではなくモノ・出来事が主語になった場合を無生物主語と呼んでいますよ。

無生物主語とは?
人間ではなく、モノ・出来事が主語になったもの

もし「you」を主語にしたら?

もし、いまの例文を「you(あなた)」を主語にすると以下のようになります。

ウサギ

If you walk to the station for five minutes, you will get there.
(5分も歩けば駅に着くよ)

サッシ

……なんだか逆にまわりくどいですよね?

これが英語で「無生物主語」が存在する理由です。

伝えたい内容によっては人間よりも物が主語のほうがわかりやすいというわけですね。

無生物主語を使うと「感情」を省ける

「無生物主語」を使うメリットをまとめると、以下の2つになります。

無生物主語を使う利点

  • 文が短くスッキリする
  • 個人的な感情を除ける

無生物主語には、「文がわかりやすくなる」というメリットのほかに、「人間の感情を省ける」という効果もあります。

例えば日本で外国の人に「Why did you come to Japan ?」と聞くと「なんでお前は日本に来たんだ?」のようなニュアンスにとられてしまうことがあるんです。

もちろん、言い方や声のトーンによりますが、ぶしつけに「Why did you 〜」のように聞くと、「来なくてもいいのに……」のようなネガティブなニュアンスで取られる可能性があります。

ところが、無生物主語で「What brought you to Japan ?」と聞くことで、感情を省け、単純に動機を聞いた質問になるのです。

何があなたを日本に連れてきたのですか?(何がきっかけで日本に来られたんですか?)」のようになり、誤解を防げます。

サッシ

肯定文・否定文だけでなく疑問文のなかでも無生物主語を使うことはできますよ。


無生物主語の訳し方のコツ

では、無生物主語の英文を訳してみましょう。

無生物主語を直接訳すと不自然になる

無生物主語の場合、そのままだと日本語として不自然になってしまいます。

例えば以下のような具合です。

ウサギ

Five minutes’ walk will bring you to the station.
(5分間の徒歩がキミを駅に連れて行くだろう)

サッシ

なんだかマンガや映画のセリフみたいですよね(笑)

「〜で」でつなぐ

日常会話の訳としては無理があるので、とりあえず直訳してみておかしければ人間を主語にしつつ「〜で」でつないでみてください

訳し方の例

5分間の徒歩あなたを駅に連れて行くだろう(?)
あなたは5分間の徒歩駅に着くだろう

こうすることで、日本語としてだいぶマシになりますよね?

「つなぎの言葉」で微調整

さらに以下の「つなぎの言葉」で微調整すればバッチリです。

原因・理由が主語の場合
  • 〜のおかげで
  • 〜のせいで
  • 〜のため
  • 〜が原因
条件・手段・方法が主語の場合
  • 〜すれば
  • 〜すると
  • 〜によって

例えば「〜すれば」を使ってみましょう。

訳し方の例

あなたは5分間の徒歩駅に着くだろう
あなたは5分歩けば駅に着くだろう

こんなふうに日本語として自然になりますよね。

無生物主語を訳すコツは「とりあえず直訳して人を主語にして『〜で』。あとはつなぎの言葉で微調整」と覚えておいてください!

主語が原因・理由なのか条件・手段・方法なのかは特に意識しなくて大丈夫ですよ。

サッシ

文法的に考えるのが好きなら「目的語を主語にして、主語を副詞っぽく」と考えてもOKです!




よく使われる動詞や無生物主語構文

意味や訳し方がわかったところで、「無生物主語」で実際に使われる動詞、そしてよくあるパターンを見ていきましょう。

無生物主語の表現はネイティブ同士の会話でもよく出てきますよ!

使役動詞(make・let・have・get)

まずは使役動詞です。

こちらの4つの動詞が「使役動詞」として使えます。

4つの使役動詞
make 〜させる
let 〜させる
have 〜させる
get 〜させる

使役、つまり「〜させる」という意味の動詞は無生物主語の構文でよく使われますよ。

オオカミ

This medicine made me feel better.
(ボクはこの薬でだいぶ良くなったよ)

もちろん文脈によっては「この薬が私を回復した」のように訳すこともできます。

連れて行く(bring・lead・ take)

お次は「連れて行く系」の動詞です。

「連れて行く」系の動詞
bring 連れて行く
lead 導く
take 連れて行く

「連れて行く系」の動詞を使う場合、電車・バス・飛行機や「何分」などの時間が主語になりますよ。

以下のようなパターンです。

ウサギ

That train will take you to Tokyo.
(あの電車で東京に行けるよ)

道路を主語にして「This road will lead you to the park.(この道を行けば公園に着くよ)」なんてのもありですね。

サッシ

日本語に訳すときは「〜で」や「〜すれば」「〜によって」などでつないで訳しましょう!

言う・見せる(say・tell・show)

続いては「言う・見せる系」の動詞です。

「言う・見せる」系の動詞
say 言う
tell 言う
show 見せる

これらの動詞は、「ニュース・新聞・本」など、情報源」が主語になる場合に使われ、例えば以下のような文になります。

オオカミ

The news says a big typhoon is coming.
(ニュースによると、でっかい台風が来てるんだって!)

直訳すると「ニュースは大型の台風が来ていることを言っている」ですね。

サッシ

「〜によると」を使うと自然な日本語に訳しやすいですよ。

妨げる・邪魔する(keep・prevent・stop)

こちらを「妨げる・邪魔する系」の動詞も無生物主語構文でよく見かけます。

「妨げる・邪魔する」系の動詞
keep 引きとめておく
prevent 妨げる
stop 止める

これらの動詞は、次の例のように「動詞 人 from 〜 ing」の形でよく使われますよ。

ウサギ

A bad cold kept me from playing video games.
(ひどい風邪でゲームもできなかったよ……)

※「kept」は「keep」の過去形

無生物を主語のまま訳せば「ひどい風邪が、私がゲームすることを妨げた」となります。

悪い原因・理由が主語になるので、日本語に訳すときは「〜のせいで」や「〜のために」を使うといいですよ。

サッシ

否定語「nothing(何もない)」を使って「Nothing can stop me from going!(誰もオレを止められないぜ!)」なんて言うこともできます。

その他の代表的な動詞

あとは、その他の代表的な動詞を並べておきますね。

以下の動詞も無生物主語構文としてよく使われますよ!

その他の代表的な動詞
allow 許可する
cause 引き起こす
cost お金がかかる
enable 〜するのを可能にする
force 無理やり〜させる
permit 許可する
please 喜ばせる
remind 思い出させる
satisfy 満足させる
save 省略する
surprise 驚かせる

特に日本語訳として書く必要がなければ、無生物主語のまま直訳して理解してもまったく問題はありません

Her words surprised us.
(彼女の言葉が私たちを驚かせた)

これを人間を主語に訳せば「私たちは彼女の言葉に驚いた」となり、ちょうど受動態・能動態のような関係になります。

テストで書く・翻訳するなどの場合でなければ、うまい日本語訳にこだわらなくて大丈夫です。

サッシ

できれば英語の語順のままでイメージしたほうが英語らしくていいですよ!


まとめ

日本語では、ほとんど無生物主語を使うことがないので最初は使いづらいかもしれません。

でも、この英語独特の表現を知ることで英語の表現力がグッと上がるので、ぜひ覚えておいてください。

まとめ

  • 「無生物主語」は、人間ではなくモノ・出来事が主語になったもの
  • 「〜で」「〜すれば」「〜のため」などを使って訳す
  • とりあえず直訳でもOK!

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塾講師として英語・国語の指導を18年以上してきた経験のある「英語の文法オタク」。早稲田大学 教育学部卒。小学生の時から英語を学んでいた経験もあり。「毎日が生まれたて」という月間に100万回以上読まれる人気ブログも運営。>>サッシについて詳しくはこちら
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