英語「N / n」の発音・読み方

ヨス

執筆者

アメリカ留学で言語に興味を持ち、日本語教師の資格をとる。メディアなど掲載多数。著書は2冊。一般的には学ばない「日本語の音声」を学ぶことで英語の発音を習得し、独自の英語の発音習得メソッドを持つ。→ ヨスについてはこちら

今回は英語で使われるアルファベットの「 N(小文字: n ) 」についてです。

英語の単語に「 n 」が出てきたときにはどういうふうに読めばいいのでしょうか?

書き方や読み方、そして発音しない「 n 」についてなど、「 n 」に関して詳しく紹介します。

英語の表記「 N ( n ) 」について

まずは英語の表記「 N ( n ) 」について詳しく紹介していきます。

アルファベット「N」「n」
アルファベット「N」「n」

「 N ( n ) 」の書き方は?

アルファベット「 N 」と「 n 」はどうやって書くのでしょうか?

罫線(けいせん)のあるノートには次のように書きます。

「 N 」「 n 」の書き方
「 N 」「 n 」の書き方

大文字も小文字も、上の図のような書き順で1画で書く場合がほとんどです。

次のように2画、3画で書くこともできますよ。

「 N 」「 n 」の書き方2
「 N 」「 n 」の書き方2

書き方や書き順に決まったルールはないので、あまりこだわらなくても大丈夫ですよ。

「 N ( n ) 」の読み方は?

日本語では「エヌ」と読みますが、英語ではどう読むのでしょうか?

英語の場合、アルファベットには「名前」と「読み方」があるのでそれぞれ紹介しますね。

「 N 」「 n 」の読み方
名前 [ ɛn ]
読み方 [ n ]

「 N 」「 n 」の名前

まず、「 N 」「 n 」の名前は [ ɛn ] と発音します。

次の音声データでご確認ください。

この音声の1〜3回目の発音では [ n ] の発音をしたまま発音を終わらせています。

それに対し、4〜6回目の発音では [ n ] の発音後に舌先を開放(舌先を離すこと)しているため「ンヌッ」というふうに聞こえます。

日本語の「エヌ」という発音に似ていますが、次の点で違いますよ。

日本語「エヌ」との違い

ヨス

母音の「う」をくっつけて「エ」と言ってしまわないように!(参考: 子音だけを発音する

「 N 」「 n 」の読み方

アルファベット「 N 」「 n 」の読み方は [ n ] です。音声はこちらをお聞きください。

くわしくは発音記号 [ n ] についてをご覧ください。

発音記号 [ n ] について



英語の「 n 」の発音について

では続いて、英語のつづりで「 n 」が出たときの読み方を紹介しましょう。

基本は [ n ] の発音

英語で「 n 」と書かれている場合、基本的には発音記号 [ n ] の音声になります。

[ n ] のつく単語
スペル 発音
nice [ naɪs ]
no [ noʊ ]
enter [ ɛntɚ ]
run [ ɹʌn ]

口の中はこちらのようにして発音しますよ。

[ n ] の発音
[ n ] の発音

詳しい発音の仕方はこちらの記事をどうぞ。

発音記号 [ n ] について

うしろに来る音声によって [ m ] [ ŋ ] [ ɱ ] の発音に

「 n 」と書かれていても、うしろに来る音声によって [ n ] ではなく、ほかの発音になることがあります

ヨス

これは日本語の「ん」の発音と同じ法則なのであまり気にしなくてもできると思います。

その例を紹介しましょう。

うしろに [ p ] [ b ] が来ると [ m ] に

スペルとして「 n 」が使われていても、後ろに [ p ] もしくは [ b ] の発音が来る場合は、[ m ] の発音になります。

たとえば、次のような単語にある「 n 」は「 m 」の発音に変化しますよ。

[ n ] が [ m ] の発音になる例
スペル(意味) 発音
input(入力する) [ ɪmpʊt ]
cranberry(クランベリー) [ kɹæmbəɹɪ ]

[ m ] は、次の図のように唇を使って発音します。

両唇鼻音 [ m ]
両唇鼻音 [ m ]

なぜ「 n 」が「 m 」の発音になるのかというと、「 n 」の後ろにくる音が上下の唇で発音する発音である [ p ] [ b ] だからです。

発音には次の発音の準備をするをいう基本的なルールがあります。

そのため、「 n 」が [ p ] [ b ] の発音と同じく上下の唇を使う鼻音である [ m ] に置き換わります

[ m ] の発音についてはこちらもどうぞ。

発音記号 [ m ] について

うしろに [ k ] [ g ] が来ると [ ŋ ] に

うしろに [ k ] [ g ] が来るとき、たとえ「 n 」のスペルだとしても [ ŋ ] の発音になります。

次のような例です。

[ n ] が [ ŋ ] の発音になる例
スペル(意味) 発音
bank(銀行) [ bæŋk ]
penguin(ペンギン) [ pɛŋgwɪn ]

[ ŋ ] の発音は次の図のようにして出しますよ。

軟口蓋鼻音 [ ŋ ]
軟口蓋鼻音 [ ŋ ]

くわしくは[ ŋ ] の発音についてをどうぞ。

発音記号 [ ŋ ] について

うしろに [ f ] [ v ] が来ると [ ɱ ] に

「 n 」のスペルのうしろに [ f ] もしくは [ v ] がくると、 [ ɱ ] の発音になります。

たとえば次のような例です。

[ n ] が [ ɱ ] の発音になる例
スペル(意味) 発音
information(情報) [ ɪɱfəmeɪʃən ]
invite(招待する) [ ɪɱvaɪt ]

理由は「 n 」のあとに来る「 f 」もしくは「 v 」のときの口の構えになるからです。

この見慣れない発音記号 [ ɱ ] は、次の図のように発音します。

唇歯鼻音 [ ɱ ]
唇歯鼻音 [ ɱ ]

上の前歯と下唇を使って「 m 」のような発音を出すのですが、発音は [ m ] と同じだという認識で問題ありません

ヨス

大切なのは、口の中の構えが [ ɱ ] の位置になる……ということだけです。


「ng」というスペルになると [ ŋ ] の発音になる

「 n 」のあとに「 g 」がくっつき、「ng」というスペルになると、ほとんどの場合で [ ŋ ] の発音になります

こちらの例をご覧ください。

「ng」の発音が [ ŋ ] になる例
スペル(意味) 発音記号
king(王様) [ kɪŋ ]
thing(もの) [ θɪŋ ]
young(若い) [ jʌŋ ]

スペルで見ると「ng」と2文字になっていますが、[ ŋ ] の発音は1つの音なのでご注意ください。

発音記号 [ ŋ ] についてさらに詳しく知りたい場合はこちらの記事をご覧ください。

発音記号 [ ŋ ] について

「mn」で終わる場合の「 n 」は発音しない

スペルで「mn」で終わる場合、「 n 」は発音しません

たとえばこちらのような単語の「 n 」は発音しないので間違わないように!

「mn」の「 n 」を発音しない例
スペル(意味) 発音記号
column(コラム) [ kɑləm ]
autumn(秋) [ ɔtəm ]
damn(くそっ!) [ dæm ]
ヨス

ちなみに上の例にある「damn」は汚い言葉なので、この言葉を避け、発音が似ている「darn [ dɑ˞n ] 」を使うことも多いです。


まとめ

さて今回は、「 n 」という表記について紹介しました。

ポイントは、うしろに来る音声によって [ m ] [ ŋ ] [ ɱ ] の発音になるという特性ですが、意識しなくても発音できると思います。

「 n 」の発音については以下の記事に詳しく書いてあるのでぜひあわせてご覧くださいね。

発音記号 [ n ] について

日本語の「ん」と英語の「n」の違いは?という記事を読むと、さらに理解が深まりますよ。

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アメリカ留学で言語に興味を持ち日本語教師に。その後、自分が「音声学」に猛烈に惹かれることに気づく。一般的には学ばない「日本語の音声」を学ぶことで英語の発音を習得し、独自の英語の発音習得メソッドを持つ。>>ヨスについて詳しくはこちら
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