こんにちは、アメリカ在住ライターのタカコです。
先日、「『No one is perfect(完璧な人はいない)』に学ぶアメリカ人のこころ」という記事で、飛行機の中で少し大きめの声で話していた夫に、日本人男性から「Be quiet, please」と言われたことを書きました。
今回はクラスメイトにこの一件について聞いたことをまとめてみました。
目次
飛行機の中で大きな声で話している人に注意するか?
私がクラスメイトに質問したのはこちらです。
- 状況
- 飛行機に乗っているとき、自分の席のすぐ近くで、少し大きめの声でしゃべっている人がいる
- 質問
- その人に何か言いますか?
もし、何か言うとしたら、何と言いますか?
※国籍、性別、年代を書いていますが、その人がどんな人なのか、想像してもらいやすいと思って書きました(私は、それぞれの意見に、国民性などは関係ないと思っています)。
メキシコ人女性(50代)とその娘さん(20代)

何も言わないかな……。だって、そのしゃべっている人がどんな人かわからないから、怖いよ

私も何も言わない。何か言ってその人が怒ってきたら怖い!!

じゃあずっと我慢するってこと?

私の国(メキシコ)では、『シーッ』と言って、人を黙らせる(静かにしてもらう)方法があるんだけど……
……と、その場でも「シーッ」とやって見せてくれました。
日本でもありますよね。お母さんが子どもに「静かにしようね」という時に「しー」と言う、あれです。
でも、彼女の「シーッ」は、私たちが言う「しー」よりももっと大きな音です。別記事で英語の「シー」の音について書いてありますが、まさにそんな音です。
「しー」というときの舌をほんの少しだけ前にして、唇を丸めることで、空気の出口が小さくなり、「しー」よりも大きな摩擦が起こります。
実際、試してみるとわかると思いますが、けっこう大きな音で、「しー」よりも少しこもっているようにも聞こえます。

私なら何も言わないけど、よっぽど我慢できなかったら「シーッ」をする人がいるかもしれない

でも、それはちょっとrude(失礼)に聞こえるんだけど、そんなことして大丈夫?

そうね、rudeなんだけど(笑)。でも、この短い音だと、しゃべっている本人が「え? 何?? 誰???」と思っている間に終わるから、やった後に素知らぬ顔をしていれば、誰が言ったのか気づかないわ
な、なんと……。これは発想がおもしろいですね。かなり勇気がいりそうなので、私は絶対しませんが(笑)。
バングラデシュ人女性(20代)とサウジアラビア人女性(40代)

う~ん……あまりにひどかったら、丁寧にお願いするかもしれない。でも、自分の国の言葉で話せる時だけね。私は、英語で丁寧に言う方法がわからないから、英語で話さないといけない時なら、何も言わないわ。

なるほど! 表現の仕方がわからないからあえて言わないと。

やっぱり、人に何か言う時は、その言語での言い方をちゃんと知ってからでないと。

「Be quiet!」だと失礼だもんね。

「Be quiet」はだめでしょ! 私、どう言ったらいいのかわからないけど、それがだめなことはわかるわ(笑)

私も自分からは何も言わないわ。飛行機の中って特殊じゃない? 他人が集まった密室でしょ。長時間だし、疲れるし、動けないし。寝たくても寝られない人もいるし。普段と違う精神状態になってもおかしくはないわ。

ということは「うるさいなぁ」と思っていても我慢するってこと?

よっぽど困ったら、乗務員さんにお願いするかもしれないけど。ただ、公共の場で黙るようになんて、誰も強制できないわよ
この二人の話ももっともですね。
「ちゃんとした言い方を知らないから、言わない」「公共の場では、誰も強制はできない」。
あまりにさらっと話してくれたので、私もさらっと聞き流しそうでしたが、考えれば考えるほど、「そう!!それそれ!!」と思えます。
私が、違和感を持っていた部分を見事に突いてくれました。
インド人男性(30代)

あぁ、それは何も言わないよ。僕がもしその場にいたら、ヘッドフォンをして、音楽を聴くなり、映画を見るなり、自分のことに集中するよ。

なるほど。ほかごとに集中していれば気にならないと!

何もしないと、その声が気になってしまうけど、自分のことに集中すれば、そんなに気にならないでしょ!
「自分のことに集中すれば、ほかのことは気にならない」、これもおもしろい発想ですね。
サウジアラビア人男性(30代)

うーん……何も言わないかな。暴れているのでもなく、ちょっと話す声が大きいだけなら、何も言わないよ。

どうして?

僕には子どもがいるんだけど、自分は気をつけていても、周りの人に迷惑をかけてしまうこともあるからね。それを考えたら、とても注意なんてできないよ

なるほど! お互い様ってことかぁ!
「自分が迷惑をかけてしまう側になるかもしれないから、とても注意なんてできないよ」、この一言にも考えさせられます。
人はみんな、悪気はなくとも周りの人の迷惑になってしまうことがあります。言い方を変えれば、周りの人のお世話になって生きています。
まとめ
いかがでしたか?
おもしろかったのが、どの人に聞いても、みんな違うことを話してくれたことでした。
とくに、バングラデシュ人のクラスメイトが「ちゃんとした言い方を知らないから言わない」は、その通りだと思います。正しい言い方を知っておくべきだったと思います。
それは、自分へのトラブルを避けるためでもありますから。
長時間のフライトは、精神的にも体力的にもきついです。故意ではなくても、人に迷惑をかけてしまうことがあるかもしれません。
また、他人の雑音を普段は我慢できても、そんな状況では我慢できないことがあるかもしれません。
この記事を読んでくださった皆さん、どうしても我慢できないときは「Could you please……?」でお願いしてみましょう。くれぐれも命令形はやめましょうね。