動物の鳴き声を英語ではどう表現するの?

タカコ

執筆者

WEBライター。2013年にアメリカに渡る。現在はアメリカ人の夫と子ども2人でテキサスに在住。

日本語で犬の鳴き声は、一般的に「ワンワン」と言いますが、英語では何と言うのでしょう?

猫は? 豚や牛は? 馬、羊、サルは? そのほかの動物は?

オノマトペ(擬音語・擬態語)が大好きな私がいろいろな動物の鳴き声を日本語と英語で比較してみたいと思います。

身近な動物の鳴き声

では英語での動物の鳴き声表現を紹介していきます。

まず、「動物の鳴き声」という言い方ですが、英語では「animal sound」とか「animal noise」と言います。

動物園などにある説明の中では「call(鳴き声)」という言葉も使われます。

では、ペットなどでもおなじみの身近な動物の鳴き声から紹介していきますね。

犬の鳴き声

さて、「犬」の鳴き声ですが、日本語では「ワン」や「ワンワン」と表現されるのが一般的です。

英語では、「bowwow」と言ったり、「woof」と言ったりします。

犬の鳴き声

  • bowwow(バウワウ)
  • woof(ウッフ)

「bowwow」と「woof」

日本語の音に近づけて書いてみると「bowwow(バウワウ)」「woof(ウッフ)」ような感じです。

タカコ

んー、似ているような似ていないような?

でも、こうしてはどうでしょう。

英語の「bowwow」と「woof」の音を、チワワのような小型犬が出すのではなく、少し大型の犬、例えばレトリバー犬が出すイメージで。

大きな犬
大きな犬の鳴き声を想像してみる(ちなみにこの写真はじゃれているだけなので大丈夫です)

そして「 w 」の音を出すときは、唇を丸めて発音することを意識してみましょう。

ずいぶん実際の犬の鳴き声に近い音だと思いませんか?

また、「ワンワン」の「ワ」の音も、日本語の唇を丸めない「ワ」の音ではなく、唇を丸めて出す「ワ」(唇を丸めて、「ウ」というようにして「ワ」と言う)に変えてみると……

犬が、低めの音で短めに吠えている感じで、「ワンワン」と「bowwow」や「woof」も似ているような。

動詞は「bark」

「犬が吠える」という動詞は「bark」を使います。

「bark」の活用
原形 三人称単数 現在分詞形 過去形 過去分詞形
bark barks barking barked barked

たとえばこんなふうに使います。

ウサギ

My dog is barking.
(うちの犬が吠えている)

こんな面白い表現もありますよ。

オオカミ

She is barking at the wrong tree.
(彼女は見当違いをしている)

直訳すると「違う木に向かって吠えている」という意味ですが、すごく覚えやすい表現ですね。


猫の鳴き声

猫の鳴き声は、日本語では「ニャーニャー」とか「ミャー」とかでしょうか。

英語では「mew(ミュー)」や「meow meow(ミャオ ミャオ)」などと言います。

猫の鳴き声

  • mew(ミュー)
  • meow meow(ミャオ ミャオ)
猫の鳴き声は「mew」や「meow」
猫の鳴き声は「mew」や「meow」

イメージ的には、「mew」の方が赤ちゃん猫の鳴き声です。

タカコ

これは、日本語と英語の音がよく似ているので、違和感なく聞こえるのではないでしょうか。

また、この「猫がニャーニャー鳴く」という動詞も、音と同じ「mew」や「meow」という動詞を使います。

鳥の鳴き声

ニワトリやアヒルなどではなく、一般的な鳥がさえずる音は、日本語では「ピピピピ」「チチチチ」と言ったりします。

鳥のさえずり声は?
鳥のさえずり声は?

英語では、「tweet tweet(トゥイー トゥイー)」と言います。

鳥の鳴き声

  • tweet tweet(トゥイー トゥイー)
タカコ

これはあまり似ていませんね……。

有名なSNSの1つ「Twitter(ツイッター)」は、この「tweet」が由来です。

なので「なるほど!」と納得しやすいかも。

「つぶやく」という動詞でも「tweet」を使う

ツイッターでは、日本語で「つぶやく」という言葉が当てられています。

英語では「鳥がさえずる」という言葉で、動詞でも「tweet」が使われます。

口々に「つぶやく」=「(鳥が)さえずる」ので、日本語の「鳥のさえずる音」を言葉で表すと、「ピーチク パーチク」がぴったりかもしれませんね。


ネズミの鳴き声

次はぐっと小さい動物になり、ネズミです。

ネズミの鳴き声と言えば、日本語では「チューチュー」が一般的ですが、英語では「squeak squeak(スクイーク)」と言います。

ネズミの鳴き声

  • squeak squeak(スクイーク)
これはパンダマウスというネズミ
これはパンダマウスというネズミ

この「squeak」は、ネズミが「鳴く」という動詞としても使えます。

タカコ

「チューチュー」と「squeak」? 全然似ていませんね……。

金切り声も「squeak」

この「squeak」ですが、(人が)キーキー金切り声をあげる、(赤ちゃんが)キーキー泣く、(ちょうつがいなどがきしんで)キーキー音が出る、などの場合も使われます。

「チューチュー」というネズミの鳴き声は、わりと高い音ですよね。

ネズミの鳴き声は「squeak」
ネズミの鳴き声は「squeak」

ということは……人や動物、物に関係なく、高い音を表現するときに使う言葉が「squeak」なんですね。

タカコ

ネズミの鳴き声自体を表す言葉ではなかったので、似ていないのも当然でした!!

夫(アメリカ人)に聞くと、「eek eek」と言うこともあるそうです。


カエルの鳴き声

カエルの鳴き声というと、日本語では「ケロケロ」とか「クワックワッ」です。「ゲコゲコ」と言ったりもしますね。

カエルの鳴き声は?
カエルの鳴き声は?

英語では「ribbit」という言葉を使って表現します。

カエルの鳴き声

  • ribbit(リビッ)
  • croak(クロゥク)

「 r 」から始まるので、舌を口の中で丸めるようにして、軽く「ウ」と言うような感じで発音します。

「 R 」の発音を意識すると、「ribbit」は、「ケロケロ」というよりは、「ゲロゲロ」とか「ゲコゲコ」というような、低く響くような音に聞こえますね。

同じく、「croak(クロゥク)」という言葉もあります。「croak croak」と言うと、「ケロケロ」の音に近そうです。

また、この「croak」は、カエルの鳴き声を表す動詞にも使えます。

ヘビの鳴き声(?)

そして蛇……なのですが、「蛇って鳴くの?」というのが正直なところですよね。

日本語では「シュー」という風に蛇の鳴き声が表現されますが、私は爬虫類が苦手なので本当にそう鳴くのかは知りません(笑)。

蛇の鳴き声は「hiss」
蛇の鳴き声は「hiss」

アメリカに来て、蛇の「シュー」という音が「hiss(ヒス)」と表現されることがわかりました。

ヘビの鳴き声

  • hiss(ヒス)

蛇の「シュー」という音のほかにも、空気や蒸気がもれてできる「シューシュー」というような音も「hiss」という言葉が使われます。

ちなみに「hiss」は動詞としても「~に対してシューと音を立てる」とか「シーッと言って黙らせる」という意味がありますよ。

家畜動物の鳴き声

今度は家畜としてもおなじみの動物たちの鳴き声です。

牛、豚、羊、馬、鶏、アヒルなどの鳴き声は英語でどう表現するのでしょうか?

牛の鳴き声

牛は、日本語だと「モー」と表現されることが多いですが、英語では「moo(ムー)」と言います。

牛の鳴き声

  • moo(ムー)
牛の鳴き声は?
牛の鳴き声は?
タカコ

これは、似ていますね!! 「モー」と「moo」という音も似ているし、実際の牛の鳴き声を聞いても、納得です!

この「moo」は、「牛がモーと鳴く」という動詞としても使います。

豚の鳴き声

では、豚はどうでしょう? 日本語では、「ブーブー」とか「ブヒブヒ」とかが一般的ですよね。

豚の鳴き声は?
豚の鳴き声は?

英語では、「oink oink(オインッ オインッ)」という言葉です。

豚の鳴き声

  • oink oink(オインッ オインッ)
タカコ

この2つの音は全然似ていませんね……。

でも、よく考えたら、豚の「ブーブー(ブヒブヒ)」って、「鳴く」のではなく、「鼻を鳴らしているような音」なのでは? 「oink oink」もそういう音だとして……

口ではっきり発音するのではなく、鼻から音を出すような感じで言ってみるとなんとなく似ていませんか?

羊の鳴き声

では、羊はどうでしょう。日本語では「メーメー(メェメェ)」という音で表現されますが、英語では「baa baa(バー バー)」です。

羊の鳴き声

  • baa baa(バー バー)

子どもたちに親しまれている童謡(Nursery Rhymes)の1つに『Baa Baa Black Sheep』という歌もあります。

娘が見ている子ども向けのテレビ番組では、子羊(lamb)の鳴き声は「maa」と表現していました。

羊の鳴き声は「baa」
羊の鳴き声は「baa」

猫の鳴き声と同じで、「mew(ミュー)」が赤ちゃん猫の音に聞こえるのと同じでしょうか。「maa」の方が「baa」よりも子羊に合いそうです。

ところが、この「maa」は、辞書には載っていません。聞こえる音を文字にあてはめて表しただけの言葉なんですね。

馬の鳴き声

日本語では、馬の鳴き声は「ヒヒーン」と言われるのが一般的ですが、英語では「neigh(ネーイ)」という言葉を使います。

馬の鳴き声

  • neigh(ネーイ)
馬の鳴き声は「neigh」
馬の鳴き声は「neigh」

初めて「neigh」という言葉を聞いたとき、「???」と思ったのですが、「ネェ〜イ」と、少し首を左右に振りながら、声を震わせるように言ってみると、実際の馬の鳴き声に似ていると思いませんか?!

不思議ですよね……。上手に言葉にしているなと思います。

それから「馬が(ヒヒーンと)いななく」という動作は「whinny」という言葉で表現できます。

鶏・ヒヨコの鳴き声

さて、今度は鳥は鳥でも、種類を限定してみます。

にわとりは、どうでしょう?

にわとりの鳴き声は?
鶏の鳴き声は?

日本語では、おんどりは「コケコッコー」、めんどりの短く鳴く音は「コッコ」と言ったりします。

英語では、こんなふうに言います。

鶏の鳴き声

  • cock-a-doodle-doo(コッカ ドゥードゥドゥー)
    おんどりの「コケコッコー」
  • cluck(クラック)
    めんどりの短い鳴き声

という音で表現します。この「cluck」は動詞としても使われます。

ヒヨコの鳴き声は?

鶏の鳴き声を紹介したので、その子どもであるヒヨコの鳴き声はどうでしょうか?

ひよこ
ひよこ

ひよこの鳴き声は、日本語だと「ピヨピヨ」や「ピーピー」という音で表現されますが、英語だと「cheep (chirp)」で、日本語の音でいうと「チープ」と言うような感じです。

ヒヨコの鳴き声

  • cheep(チープ)
  • chirp(チャープ)

日本語は「 p 」、英語は「 ch 」と、頭の音は違いますが、なんとなく似ている方ではないでしょうか。

この「cheep / chirp」も、動詞としても使います。


アヒルの鳴き声

日本語だと、あひるの鳴き声は「がぁがぁ」と言いますが、英語では「quack quack(クワッ クワッ)」です。

アヒルの鳴き声

  • quack quack(クワッ クワッ)
タカコ

「がぁがぁ」は音が濁っているので、「quack quack」という音とあまり似ていないような気も?

アヒルの鳴き声は「quack」
アヒルの鳴き声は「quack」

でも実際あひるの鳴き声を想像してみると、両方ともうまく言葉に当てはまっていると感じます。

この「quack」は動詞としても使われますよ。


動物園にいる動物の鳴き声

今度は、日常的にはいない動物園にいる動物の鳴き声です。

ライオンなど猛獣の鳴き声

百獣の王ライオンは、日本語では「ガオー」が定番です。英語ではライオンクマなどの猛獣の鳴き声は「roar(ロアー)」と言います。

クマって、そんな声で鳴くのかな?と思いますが、クマが仁王立ちになって歯をむいている姿を想像すると、何が音を発していそうです。

猛獣の鳴き声は「roar」
猛獣の鳴き声は「roar」

日本人が「roar」という言葉を聞くと、少し違和感があるかもしれませんが、実際のライオンの鳴き声を聞いてみると、すごくしっくりくるんです。

特に後半の「ar」の音を、声を震わせながら言ってみると……すごくそれらしい音に聞こえると思いませんか?

「ウー」とか「ガルルルル」は「growl」

また、トラや犬などにも使えますが、動物が「ウー」とか「ガルルルル」と、うなる動作は「growl」という動詞があります。

動詞には「growl」という表現も
動詞には「growl」という表現も

音は「grrrr」などと書き、「ガルルルル」とか「(低く唸るように)グーーーー」というような音を表現することができます。

以前別記事で書いた、オススメの子ども向けテレビ番組「Daniel Tiger's Neighborhood」の主人公、トラのDaniel(ダニエル)も、イライラしたり、嫌なことがあったりすると、「grrrr(グーーーー)」という唸り声を出します。


象の鳴き声

象は鼻を鳴らします。日本語では「パオーン」といった感じでしょうか。

娘が見ている子ども向けのテレビ番組では「pawoo(パウー)」という音で表現していました。また、絵本では「baraaaah(バラァァ)」と。

象の鳴き声は「pawoo」など
象の鳴き声は「pawoo」など

でも、これも決まった表記がないんです。聞こえる音を文字にあてはめて表しただけなので、辞書には載っていません。

象の鳴き声の動詞は「trumpet」

象の鳴き声を動詞で表すときの表現ですが、これがとってもユニーク。

動詞は「trumpet」です。

タカコ

え? トランペット??

そうなんです。あの楽器のトランペットです。

「trumpet」はもちろん楽器の「トランペット(名詞)」ですが、「トランペット(ラッパ)を吹く」という動詞の意味のほかに、「象が(トランペットのような声で)鳴く」という意味もあるんです。

そう言われると、象が鼻を鳴らす音ってたしかにラッパっぽい?! おもしろいですねー。これは、一度聞いたら忘れません!!


サルの鳴き声

日本語ではサルの鳴き声は「ウキー」とか「キャッキャッ」とかいろんな音で表現されますよね。

英語では、娘の持っている本(2冊)には「oh oh ah ah (ooh ooh aah aah)」と書かれていました。

日本語の音にすると「オーオー アーアー」という感じです。

サルの鳴き声は「oh oh ah ah」
サルの鳴き声は「oh oh ah ah」

ただ、これも、聞こえる音を文字にあてはめて表しただけで、辞書に載っているような決まった表記ではありません。

子ども向けのアニメ「Curious George(おさるのジョージ)」のジョージも「oh oh ah ah」の音に近い声だと思います。

おさるのジョージ
おさるのジョージ

日本人の想像する音「ウキャキャキャ ウキー」とは全然違います。

「サル」でイメージする種類が違う

余談ですが、日本人にとって、サルと言えば「ニホンザル」です。私にとっても、サル=ニホンザルのイメージでした。

先日、こちら(アメリカ)にある動物園に初めて行ったとき、サル山っぽいところにいたのは黒いサルだったので驚きました。

チンパンジーのようで顔も黒いサルです。

タカコ

動物園の(たくさんいる)サルといえば、勝手に「ニホンザル」と思い込んでいたので、びっくりしました。思わず、「違う!!」と言ってしまいました……。

それで、「一般的なサル」は、場所によって違うことを知ったのです。

残念ながら動物園では鳴き声を聞けませんでしたが、こちらの一般的なサルはニホンザルとは違う鳴き方をするのでしょうね。

サルが鳴く動詞は「screech」と「chatter」

話は戻って、サルがキーキー鳴くのを表す動詞に「screech」という言葉があります。

また、サルが「キャッキャッ」というような、口々に鳴きあう鳴き声は、「chatter」という動詞でも表現できます。

この「chatter」は、人が「(ぺちゃくちゃ)話す」ときや、鳥が「ギャーギャー鳴く」ときにも使うことができます。

タカコ

騒々しい音に使えるということですね!


フクロウの鳴き声

フクロウの鳴き声は、日本語では「ホーホー」ですが、英語ではどういうのでしょうか?

英語では「Whoop Whoop」と表現します。

フクロウの鳴き声は「Whoop Whoop」
フクロウの鳴き声は「Whoop Whoop」

カタカナでは「フーッ フーッ」という感じで、日本語と似ていますよね。


オマケ: 蜂の飛ぶ音

最後にオマケとして蜂の飛ぶ音について。

蜂の飛ぶ音は、日本語では「ぶんぶん」とか「ブーン」というふうに羽を鳴らす音を表現します。

ハチの飛ぶ音は?
ハチの飛ぶ音は?

英語では、その音は「buzz(バズ)」で表します。動詞としても使えます。

「buzz」の活用
原形 三人称単数 現在分詞形 過去形 過去分詞形
buzz buzzes buzzing buzzed buzzed

「ぶんぶん飛んでいる」様子を、「buzzzzzzzzz」と、語尾の「z」をたくさん発音(表記)して表現します。

WEB上で、ある特定の事柄について話題にすること、特にSNSを通じて多人数がうわさをしたり、意見や感想を述べ合ったりして、一挙に話題が広まることを「バズる」と言います。

この「バズる」は、「buzz」が由来です。うるさいほどの蜂の羽の音が、たくさんの人が話題にしているという音に例えられています。

インスタでも投稿しています!

まとめ

いかがでしたか?

動物の鳴き声から、最後は象の鼻を鳴らす音や蜂の羽の音まで。納得のいく音もあれば「???」な音もあったかもしれません。

また、日本語では、たいてい「○○が鳴く」と表現できるところ、英語では、その動物ごとに「鳴く」という意味の動詞があるという、大きな違いもありました。

また、日本語では、どんな音かオノマトペ(擬音語・擬声語)を使って表現することが多いのに対し、英語では、動詞を使うだけでどんな音かまで表現できるという違いも大きいです。

同じ動詞が、人や物の音の表現にまで使えるのもおもしろいですね!!

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タカコ
アメリカ人の夫との結婚を機に渡米。現在は二児の母として英語に囲まれた環境の中で生活。日本語教育に携わっていたため言語への視点が鋭く、元・英会話教師の夫とのやりとりから生まれる記事が秀逸。
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