こんにちは、人生の半分をオーストラリアで過ごしている はつ です。
日本でも「国際化」という言葉を普通に聞くようになって久しい昨今。メールの最後の部分や名刺に英語で住所を入れることも増えてきました。
でも、英語で住所をどう書くのだろう?と思いませんか?
今回は英語での住所の書き方を細かく紹介しますね。
英語で住所を書くときのルール
ではまず、英語で住所を書くときのルールについてです。
大きくわけて5つのルールがあります。
英語の住所の表記ルール
- 住所はすべて日本語の逆に書く
- スペースで区切る
- 単語の最初は大文字で
- 日本語の読みのとおりに
- 長いもの・読みにくいものにはハイフンを
それでは1つ1つ詳しく見ていきましょう。
住所はすべて「日本語の逆に」書く
まずは、英語で住所を書くときの超基本ルールからです。
英語の住所を書く際は住所の細かいところから書くのが決まりということを覚えておきましょう。
英語の住所はすべて日本語の逆に書く!
細かい所大きい所
では、日本語で住所を書いたときと、英語で住所を書いたときの順番を表で見比べますね。
順番 | 日本語での表記 | 英語での表記 |
---|---|---|
1 | 〒100-1000 | #604 |
2 | 東京都 | Bonjuru-manshon |
3 | 千代田区 | 11-22-33 |
4 | 千代田 | Chiyoda |
5 | 11-22-33 | Chiyoda-ku |
6 | ボンジュールマンション | Tokyo |
7 | 604号室 | 100-1000 |
順番が真逆になるというのがよくわかったのではないかと思います。
「名前」にしても、日本語は「姓名」で、英語では「名姓」の順番なのと同じ発想ですね!
スペースで区切る
英語で住所を書くときは、「県」や「市」「町」「番地」などの間はスペースを入れます。
パソコンの場合は「半角スペース」です。
スペースで区切る例
#604 Bonjuru-manshon 11-22-33 Chiyoda Chiyoda-ku
Tokyo 100-1000 JAPAN
読みづらいときはカンマや改行を
スペースでは見づらいと思ったら、カンマ( , )を入れてもオッケーです。
カンマを入れる例
#604, Bonjuru-manshon, 11-22-33, Chiyoda, Chiyoda-ku,
Tokyo, 100-1000, JAPAN
私の場合、改行を入れて、なるべくカンマを付けないようにしています。
カンマはマンションの名前、番地の後だけに入れるようにしています。
なるべくカンマを入れない例
#604 Bonjuru-manshon,
11-22-33, Chiyoda
Chiyoda-ku
Tokyo
100-1000 JAPAN
カンマを入れるかどうかは「これじゃないとダメ」というルールはありません。
すべては「読みやすさ」を考えることです。カンマを入れたほうが読みやすいなら入れましょう。
英語の住所で「市」や「番地」などの間
半角スペースで区切る。
※ 読みやすさを考えて、適度にカンマも入れると良い。
単語の最初は「大文字」で
固有名詞は最初の文字だけ大文字にして残りは小文字と言うルールがあります。
それに従って住所を書きます。
最初を大文字にする例
11-22-33, Chiyoda
Chiyoda-ku
Tokyo
100-1000 Japan
国名は、ぜんぶ大文字にして強調する人が多いです。
国名を大文字にする例
11-22-33, Chiyoda
Chiyoda-ku
Tokyo
100-1000 JAPAN
「Chiyoda-ku」の「 -(ハイフン)」の後の「ku」のようなものは、通常小文字で書きます。
「ku」を小文字にした例
- Chiyoda-Ku
- Chiyoda-ku
単語の「頭文字」
大文字で
日本語の「読み」のとおりに
英語で住所を書くときは、読みのとおりに書きます。「福岡市」なら「Fukuoka-shi」で。「市」などの前にはハイフンを挟むことが多いです。
「市」のことを「city」と言うので、「Fukuoka City」と書く方もいらっしゃいますが、読むのはけっきょく日本人の郵便屋さんです。
日本人が読みやすいように、そのままアルファベットにします。
そのままアルファベットにする例
住所に数字が含まれる場合
住所に数字が含まれるときがありますが、これはどうすればいいのでしょうか?
たとえば、京都の地名で使われる「四条」と北海道の「四条」を比較します。
住所に数字がある例
京都の地名の場合は、もはや数字であるというよりも固有名詞になっているため、「Shijo」と表記します。「4-jo」と書くとわからなくなりますので。
逆に北海道の場合は、数字という意識の方が強いため「4-jo」の方がわかりやすいです(ハイフンについては次の項目で紹介します)。
「五反田」は、間違っても「5-tanda」とは書かないように!「Gotanda」じゃないと読めません。
住所にカタカナ1文字が含まれる場合
石川県の場合、「イ」のようにカタカナ1文字が入った住所もあります。これも「 I 」で。
「ル乙」のように「カタカナ+漢字」の場合は「Ru-otsu」、もしくは「Ru Otsu」のようにすると読みやすいですね。
カタカナや漢字を使っていますが、「数字」のような使われ方ですね。
マンション名が外来語でも
たとえ、マンション名が「ボンジュールマンション」のようなカタカナ英語(この例ではフランス語ですが)だとしても「Bonjour Mansion」とは書きません。
郵便屋さんが読めなければ意味がないので、そのままローマ字の「Bonjuru-manshon」で。
マンション名の例
- Bonjour Mansion(フランス語+英語表記)
- Bonjuru-manshon(ローマ字表記)
読むのは「日本人の郵便屋さん」です!
日本人に分かりやすく書く!
長いもの・読みにくいものにはハイフンを
京都の住所のように長くて読みにくいものもあります。
たとえば、京都市役所の住所は、こんな漢字だらけで長いです。
長くて読みにくい住所例
京都市中京区寺町通御池上ル上本能寺前町488番地
とりあえず、英語の住所として普通に書いてみましょう。
長い住所をアルファベットに
488, Kamihonnojimae-cho
Teramachidorioikeagaru
Nakagyo-ku Kyoto-shi
1つ1つの単語が長くて読みづらいですよね……。
人間は瞬時の判断で7個(たとえば手に握られたビー玉をパッと見せられるなど)までは認識できるのですが、そこが増えていくと曖昧になるそうです。
住所も同じで文字列が7つ以上になると読みにくいのでハイフンを入れた方が親切です。
というわけで、ハイフンを挿入してみます。
ハイフンを挿入した例
488, Kami–honnoji–mae-cho
Teramachi–dori–oike–agaru
Nakagyo-ku Kyoto-shi
ハイフンがなくても問題ないですが、この方が読みやすいですよね。
数字が含まれる住所にはハイフンを
先ほど上でも例に出した数字の含まれる住所にはハイフンを入れましょう。
「Kita4jo」のようにアルファベットに数字が含まれると暗号みたいですよね。
数字の含まれた住所例
北四条西Kita–4–jo–nishi
読む人が見やすくなることを前提に!
地名が長い場合
ハイフンを入れて読みやすく!
英語で住所を書くときの注意点
では、英語で住所を書くときの注意点を細かく見ていきましょう!

郵便番号には「〒」マークは要らない
まずは郵便番号です。気をつけたいのは、「〒」が要らないこと。
「〒」を入れない例
11-22-33, Chiyoda
Chiyoda-ku
Tokyo
100-1000 JAPAN
この「〒」マークこと郵便記号は、カタカナの「テ」から来た日本独自の記号です。
そのため、この「〒」を記入していると、海外では「なにこのマーク?」と混乱の元になってしまいます。
特に、海外の郵便番号を書くときには絶対に入れないようにしましょう。
ですので、郵便番号が「100-1000」なら、そのまま入れれば大丈夫です。
国によってケタ数は違う
日本の郵便番号は7桁ですが、アメリカの郵便番号は5桁、オーストラリアは4桁と国によって違います。
オーストラリアの例で言うと、最初の1桁が州を表します。私が住んでいるビクトリア州は3で始まり、メルボルン中心街の郵便番号は「3000」といった風に。

オーストラリアの封筒は、気の利いたタイプだと上の画像の様に四角い窓が4つほど右下に並んでいます。
イギリスの郵便番号は「EC1Y 8SY」のように数字だけでなくアルファベットが入っていたり、間にスペースがあったりと国によっていろいろですね。
都道府県の「都」「府」は要らない
英語で県名を書くときは「ken(県)」をハイフンでつなぎます。
「-ken」を入れる例
「ken(県)」がなくても問題ないと言えば問題ないのですが、「熊本」なら「熊本県」も「熊本市」もあるので「ken」まで入れれば混同しづらいです。
「都・道・府」の英語表記
では「県」ではなく、「都・道・府」の場合はどうでしょうか?
東京都 | Tokyo |
---|---|
北海道 | Hokkaido |
京都府 | Kyoto |
大阪府 | Osaka |
「都(-to)」や「府(-fu)」は、入れないのがふつうです。
英語でも「Tokyo」で流通しているので、逆に「Tokyo-to」と書いてしまうと、混乱を与えるかもしれません。
次のように「-to(都)」は入れないようにします。
「都」を入れない例
11-22-33, Chiyoda
Chiyoda-ku
Tokyo
100-1000 JAPAN
逆に北海道って「北海」って日本語でも言いませんよね? それと同じで英語でも「Hokkaido」と書きます。
「モー娘。」のマルみたいに日本語でも「道」までがワンセットになってますよね。
海外の「州名」
ちなみに、アメリカなら州名が該当します。2文字の大文字アルファベットで書くのがふつうです。
アメリカの州名
オーストラリアも州名は必ず短縮して書きます。
オーストラリアの州名
「city」「town」などは使わない
今度は「市」「町」ですが、英語に直訳すると「city」や「town」になりますよね?
たとえば「福岡市」を「Fukuoka City」と書く方もいらっしゃいますが、読むのは結局、日本人の郵便屋さんなので「Fukuoka-shi」にしましょう。
つまり、日本語の読みである「shi」にハイフンを付け「-shi」を入れます。
ハイフンがあると読みやすい
住所で書くとこんな感じですね。
「市」を入れた例
11-22-33, Chiyoda
Chiyoda-ku
Tokyo
100-1000 JAPAN
固有名詞になっている「町」
町名の中には「大手町」や「小国町」のように「大手 + 町」「小国 + 町」ではなく、1つの固有名詞として認識されている名前があります。
そういう場合は「ハイフン」で繋がず、「Otemachi」、「Ogunimachi」と書きます。
長い地名は「ハイフン」で読みやすく
「東西南北」や「上下」みたいな「方角を表す言葉」がある場合、「Minami-aso」のようにハイフンがあると読みやすいです(なくても良い)。
先ほどの京都の例で紹介した次のような住所の場合、ハイフンがあると読みやすいですよね。
例
【参考】英語の「道路名」
海外の住所には道路名の呼称が入ります。
たとえば「〜ストリート(Street)」や「〜アベニュー(Avenue)」、「〜ロード(Road)」というのはよく聞きます。
これらは「Street = St.」や「Avenue = Ave.」のように省略されることが多いのですが、注意したいのが「St.」の「 . 」です。
これは「省略しているよ」という印なので、忘れないように入れましょう。
こちらに、道路名の表記と、その省略表記をいくつか紹介します。
Avenue | Ave. |
---|---|
Boulevard | Blvd. |
Circle | Cir. |
Drive | Dr. |
Highway | Hwy. |
Lane | Ln. |
Place | Pl. |
Road | Rd. |
Square | Sq. |
Street | St. |
海外の道路名ですが、同じ名前でもストリート(St.)かロード(Rd.)で住所が異なります。
次の2つの道路は違う
似ていますが、全く違う住所になります。
さらには、町をまたぐ街道の場合、同じ道の名前でも、町が違うと間違って配達されてしまう原因となるので気を付けましょう。
例
「番地」は日本と同じ順番で
番地は少しややこしく思われますが、基本的に日本で書くとおりです。
番地の表記例
実は、私が小学生だった頃(70年代)は番地を逆にして書くように教わりました。
「1-35-2」なら「2-35-1」のように。いつの間にやら日本で普通に使われる表記で統一されましたね。
「二丁目」のように書くのが通例の場合
ただし「2-3-4」ではなく「二丁目3-4」と書くのが通例の地域もあります。
「2-chome」と書いたほうが伝わりやすい場合は……
番地の表記例
二丁目3-43-4, 2-chome
のような順番で書くことも出来ます。ただし、「2-3-4」と書いても問題ありません。
部屋番号には「 # 」を使う
日本語で部屋番号を書くときには「号室」を付けますよね。
英語では「 # 」マークを入れて表現します。
部屋番号の表記例
#604 Bonjuru-manshon(ボンジュールマンション 604号室)
部屋番号が先で、マンション名があとにきますね。部屋番号は「# (Number sign)」で表現します。
「マンション名」「アパート名」は必ずローマ字のつづりで
日本のマンション名やアパート名にはフランス語や英語などを使った洋風の名前が付けられることが多いです。
たとえば「ボンジュールマンション」という名前だとこんな感じですね。
読みづらい例
……なので、本格的に「Bonjour mansion」と綴りたくなりますが、絶対にローマ字読みにしましょう。
住所を読むのは日本人の郵便屋さんなので、「Bonjour」が読めないのが普通です。
かっこ悪いと思われるかもしれませんが、必ずこちらのように書いてください。
マンション名はローマ字で
Bonjuru-manshon
ちなみに、英語で「mansion」というと「豪邸」を指します。
日本から海外に行った際、「I live in a マンション」と英語でいうと、「おぉ! この人は豪邸に住んでいるお金持ちさんなのね」と理解されてしまいます。
「〜様方」「気付」などが必要なときの書き方
違う名字の人が居候しているときに日本では「〜様方」という表現を使います。
たとえば、アニメ『サザエさん』の家には「磯野」という表札しか出ていませんが「フグ田」一家も同居していますよね。
「フグ田マスオ」さんにお手紙を出すとなると、郵便屋さんが表札の「磯野」を見て混乱しないように「磯野 様方」と書きます。
実際には郵便屋さんもわかっているはずなので不要ですが。
それを英語ではこう書きます。
「様方」の例
Mr. Masuo Fuguta
c/o Mr. Namihei Isono
#603 Bonjuru-manshon,
11-22-33, Chiyoda
Chiyoda-ku
Tokyo
100-1000 JAPAN
「c/o」は「care of」の略
「〜様方」を意味する「c/o」は、「care of」の略です。
「in the care of」で「庇護の下にある、お世話をしてもらっている」という意味があり、大まかに言えば「c/o」は面倒を見てもらっている人(個人名)に当てて書きます。
野比家に居候しているドラえもんはまさにこの表現「c/o」がぴったりですね。
「様方」の例
Mr. Doraemon(ドラえもんへ)
c/o Mr. Nobita Nobi(野比のび太 様方)
組織に所属している場合は「Attn」
組織に所属している人宛に書くときは「Attn」を使います。
日本語だと「気付」を使いますね。
「Attn」は「attention」の略で、「~行き、宛て」という意味です。
「Attn」は組織内の特定の誰かに手紙を送るときに使います。
「Attn」の使用例
Attn: Mr. Taro Yamada
コロンをつけるのを忘れずに!
女性には「Ms.」男性には「Mr.」を
名前の敬称ですが、男性には「Mr.」を使います。女性の場合は「Ms.」を使いましょう。
「Ms.」を使った例
Ms. Sazae Fuguta(フグ田サザエ さん)
昔は未婚女性には「Miss」、既婚女性には「Mrs.」と、区別する風習がありましたが、性差別に当たるため、「Ms.」に統一されました。
「国名」を忘れずに!
日本国内へ手紙を送るときには不要ですので忘れがちですが、「国名」を忘れないようにしましょう。
国名を入れた例
Mr. Masuo Fuguta
c/o Mr. Namihei Isono
#603 Bonjuru-manshon,
11-22-33, Chiyoda
Chiyoda-ku
Tokyo
100-1000 JAPAN
入れる場所はもちろん、一番最後です。「細かいところ大きいところ」という順番なので。
「Japan」でも「JAPAN」でも問題ありませんが、強調してぜんぶ大文字で書く場合が多いです。
海外から日本人宛には日本語でも
ここまで、英語で住所を書くときのルールや注意点について詳しく紹介しましたが、実は海外から日本人宛に書くときは、日本語で住所を書いても問題ありません。
日本の住所を読むのは日本人の郵便屋さんなので!
ただし、この3つは英語で書きましょう。
こちらは絶対に英語で
「Tokyo, JAPAN」というふうに。
なぜ名前を英語で書くかというと、海外の配達員さんが「この箇所には宛名が書いてあるんだな」ということがわかりやすいためです。
英語で国名を書く例
Mr. Masuo Fuguta
〒100-1000
東京都千代田区千代田11-22-33
ボンジュールマンション604号 磯野 様方
Tokyo, JAPAN
日本語住所から英語住所に変換できるWEBサイト
最後に日本語の住所から英語の住所に変換できるWEBサイトを紹介します。
君に届け!
まずは「君に届け!」という名前のサイトです。

郵便番号を入力し、番地などを入力すると右手側の封筒デザイン上に英語の住所が出力される仕様です。
封筒に住所を書く必要のある方にとってはすごく使いやすいサイトです。
ちなみに、封筒に英語で情報を書く際にはこちらの記事もどうぞ。
JuDress
そして、「JuDress」というサイトです。

このサイトも郵便番号を入力し、細かい住所を入力すると英語に変換してくれます。
あと、おもしろいのがStylishに変換というボタン。
たとえば、「丸亀市」なら「Circle Tortoise City」というふうに「丸circle(サークル)」のように英語に直訳で変換されます。
ぜったいに住所を書くときに使ってはいけませんが(笑)。
あと、サイトには書いていませんが、マンション名を入力するときには平仮名、もしくはカタカナで入れないとダメです。
まとめ
今回は、主に日本の住所を英語にするときの注意点についてまとめました。
基本をもう一度おさらいすると、このようになります。
5つのポイント
- 住所はすべて「日本語の逆に」書く
- スペースで区切る
- 単語の最初は「大文字」で
- 日本語の「読み」のとおりに
- 長いもの・読みにくいものにはハイフンを
それと一番大事なのは見やすくすることです。絶対コレ!というルールはあまりないので、相手のことを考えて英語化してみてください。
ぜひ、あなたの名刺などに英語の住所をバッチリ入れましょう!